「何でもない日、おめでとう」という言葉を、
かつて人々は、冗談として聞いたものだ。
しかし、王様も大金持ちも、鼠もクジャクも、
恋人たちも、いちばん欲しいものは、
そんな日々じゃないのかね。
(セフティ・マッチ氏の焚火話)
いま言ったそのことを、口角をあげて、
微笑みながら言ってごらん。
ほら、そのほうがいいだろう?
(セフティ・マッチ氏の焚火話)
同じ日がふたつもみっつもあるわけがない。
昨日も今日も同じだと思っているのなら、
あんたの目は、世界をまちがって
見ているってことだ。
(セフティ・マッチ氏の金の言葉)
あなたの一日は、
思っている以上に長い。
あなたの一年は、
想像よりもたっぷりしている。
この一日、この一年を、
かわいがってやりなさい。
(セフティ・マッチ氏の銀の言葉)
好きな人のことばを、赤ん坊のことばを書いておきなさい。
馬のことば、牛のことば、犬のことば、猫のことば、雨や風や、
木々のことばをも、よくよく聞いて書き記しておくといい。
あとで、ありがたく読めるからな。
(セフティ・マッチ氏の焚火話)
約束はしたほうがいい。
赤ん坊とでも犬とでも、自分とでもいい。
しっかりと約束をしておいたら、
それを守ろうとしている間に、
手先が器用になったり、足が丈夫になったり、
目がよくなったり、頭がよくはたらいたりしてくる。
そうだ。あんたは約束を守れる人間になるんだ。
(セフティ・マッチ氏の焚火話)