人間

漫画って、僕にとってはですけど、ストーリーはどうでもいいって言っちゃったらなんですけど、

あまり興味がないんですよ、そのストーリー展開とかには。
どう転んでいっても、キャラクターたちにとって必然っていうか、自然っていうか、

そういうものであればドラマになるっていうか。


キャラクターさえ、人間がちゃんと描けていれば、それが何をしようが、何もしまいが、ドラマになると思うんですけどね。
それが結果的にストーリーになった、というような、そういう作り方をしています。

 

バガボンド」描いたから、こういうところに来たわけですからね。
あの作品じゃなかったら、こういう道は辿ってきてないと思うんで。
生きるの死ぬのとか、「生きるとは」的なことだったりとか。

 

今の時代に受けようっていう気持ちももちろん勝負論の中でありますけど、

でももっと大事なのは、何年経っても、どの世代でも、

読んだらなにか普遍的なものがあるっていうことが大事だと思っているんでね。


時代も国もとっぱらっても通じるようなもの。
まぁ人間っていうことだと思いますけど。
人間を描けているかどうかじゃないですかね。

 

井上雄彦