お前らの暴力には愛がない、とくに美しさがない。
オレはイチに殺されないよう、最大限の努力をするだけだ。
必然性を失ったら、SMは成立しない・・・
勘違いすんじゃねえ。
SMってのは俺にとってプレイじゃねえ、生活だ。必然性が全てだ。
おれはあくまでもイチに殺されたくない、という前提があって初めて絶望感が生まれてくるんだ。
イチに狙われてんのがわかった以上、おれはイチに殺されない努力をしなきゃならねえ、ってことだよ。
お前が絶望してどうする。絶望したいのは俺だ。
お前はセンスはいいが、覚悟が足らねえな。
覚悟ってのは努力だ。今時の若いのはしょーがねえーなー。
いいか、人に痛みを与えるときに決して相手の痛みを思いやるな。
痛みを考え楽しむのは俺の役目だ。
痛みを与えるときは痛みを与える喜びを噛み締めろ。
それが相手に対して最高の思いやりだ。
この激痛を与えられる意味だとか、油をかけられるっていう行いの裏側にあるもんをよーーく考えるんだ。
すると自然と痛みがひいて心地よくなるんだよ。
いいか、痛みを感じるんじゃない。痛みを考えるんだ。
痛みを制してんのは皮膚じゃねえ、頭だ。
痛みってものは怖がるもんじゃねえ、感じるもんだ、いわば味わうってことだ。
そう、その顔。喜びの裏側にある偽物の苦しみ。
(垣原雅雄)