こういう世の中で、いろいろ諦めることが癖づいてしまうような期間があって、思考回路が変わった人も多い中で、
映画というエンタメの世界で『みんなで前向いて頑張ろう』とか、『みんなで一歩踏み出そう』とか、『冒険してみよう』とかっていうことを
映画として全面に押しすぎると、辛かったり、苦しかったりする人もいるんじゃないか。
あまり前を向きたくない人も、無理やり前を向かせてしまうのではないか。
一歩を踏み出すことの大切さというよりは、失敗した人間が、またゼロのスタート地点に戻ってくる。
こっからスタートする人はどう進んでいってもいいんじゃないかという後味になればと。0から1になるんじゃなくて、マイナスから0に戻って、リスタートをどうするかはその人が決めて、
自分のペースで進んで行けばいい。
(二宮和也)