ツイッター2.0 の行方

普通の広告ビジネスは相当厳しいんじゃないですか。
で、実際厳しいってことが分かってきたから、どうにかしなくちゃいけないって状態に陥っているわけですよね。

ただまぁ、他の道はいくらでもあると思うんで。
Twitterはともかくトラフィックはあるわけだから、その上に決済とかいろんなものを乗っけていって
ある種のサービスとかビジネスがその上に乗っかる、人が行き来している場所としてTwitterを使うみたいな方向はあるんでしょうね。

ただ、1個難しい問題があるなと思うのは、さっき成長できるのかって話があったじゃないですか?
結局Twitterだけじゃなくて、狭い意味でのデジタルデジタルしたプラットフォーム産業ってのが
もうサチっちゃったって問題が今回ハッキリわかったと思うんですよ。

Facebookも頭打ち、すべてのプラットフォームが頭打ちになっちゃったわけですよね。
スマホとかを使って人が見る可処分時間っていうのが、かなり使い切られちゃったってことだと思うんですよね。

で、もうデジタル産業伸びられないっていうところにこの不況が来て、だけどこのプラットフォームが作り出してしまった社会的な問題、
トランプ問題、カニエ・ウェスト問題、さっきの自殺の問題とか、こういう問題がまったく解決されないまま、
お金だけが急にスッと引いちゃったっていう、すごいヤバい局面だってことは言えると思うんですよね。

まぁ経営の問題もあるんですが、一番大きい問題は
このプラットフォームがアメリカ大統領みたいな存在を作り出すプラットフォームになれるか
ってことだと思うんですよ。

トランプはTwitterを利用して大統領になったと広く思われてるわけじゃないですか。
あれが再現可能だったとしますよね。
そうすると、世界で最も政治的に重要なプラットフォームになれる可能性はありますよね。

大国の大統領というような存在が、ここを経由してどんどん作り出されるってなったら、
時価総額とか、利益がどうこうみたいなのとはまったく違ったレベルの社会的意義を持ってしまう。

それを特定のオーナー社長が握れたとしたら・・・まぁ「最強」って感じですよね。

政治の世界を民間企業が穫るっていうのはすごく難しいと思うんですよ。
実際GoogleにしてもFacebookにしても、あれだけアメリカ政府からいじめられ続けるわけじゃないですか。

だから、政治に対して交渉力を持つためのツールとして、Twitterっていうプラットフォームをどう機能させるかっていうのが
たぶんイーロン・マスクっていう人にとっては一番重要なんじゃないですかね。

(成田悠輔)