鉄壁のプロ意識

プロとして、自分が勝ってるって思ってないのにお金もらうってどうなんや?
っていう思いがあるんですよ。

ラーメン屋さんがですよ、
「俺が作るラーメンが一番美味いんや」って出してないんですか?って思う。
それでお客さんが来るかどうかは次の問題ですよね。

お店側のモチベーションとしては、「これが日本一美味いんや」って、
僕は言ってるつもりやし。それを第三者がどう思うかは知らないですけども。
そうじゃないと、呼んでもらってる局の人とかメディアの人に申し訳ないですよね。

「負けてますけど!」みたいな。
「人よりは劣ってますけどね!」みたいなのはダメでしょ。

僕は実績とか看板で勝つことはできないです。
もう昔に帰って実績を作るわけには行かないんで。

ヒットだって人生で890本、「やきゅう」しか打ってないわけですよ。
ホームランも108本、煩悩の数だけ打って、悟ってお疲れ様ですって引退したわけですよ。

僕より試合も出てて結果残してる人なんてクソほどいるわけですよ。
だからこそ人がやらないことやって、じゃあ全試合見るとか、そんなん誰もやんないじゃないですか。

解説者としてのクオリティと説得力は、過去の僕の実績からはなかなか人よりは持ってこれないと。
僕が言ったことよりも、古田さんが言ったほうが実績もあるし、勝てないわけじゃないですか。

昔のことは勝てないと。
だから今やってることで勝てるように、毎日全試合見て、知識量増やして、
どんなことでも、どんな球団のことでも喋れたりできることを持っていかなきゃ
いけないんじゃないの?プロだから、って思ってる。

1,000試合以上出場したキャッチャーで、僕がパスボール一番少ないんですよ?

トークのパスボールもしないですから。

里崎智也