俗論①「基礎年金を消費税で賄う」
国民年金の未納率が4割超えて5割に迫ってると。
このままでは年金制度はもたないのではないか。しかも未納者は将来生活保護が必要になるんで、莫大な生活保護になって
これじゃあ国家財政も破綻すんじゃないか、って話はよく聞かれます。新聞でも未だにこれが「未納率5割」とか出るわけなんですよ。
で、これは何度も否定されてる話なんです。
国民年金は、2,123万人が加入していて868万人が未納である。
これは2005年のデータですね、この時でもう40数%が未納であると。
でも、ここで考えてほしいんですよ。
私たちサラリーマンって、未納なんてあるわけないじゃないですか。
私たちは入ってますし、奥さんも3号保険(※)って形で入ってますよね。それから、知らない人多いんですけど、
アルバイトでも2ヶ月以上働く場合は必須なんですよ。だからパートとかバイトでも2ヶ月以上働く人の場合で、
ある年収を超えた人は入ってて当たり前。ある年収を超えてない主婦の方は3号保険で入ってるから、
基本的に給与もらってる人で入ってない人ってありえないわけですよ。
※・・・第2号被保険者に扶養される20~59歳の配偶者が対象
これは何かって言うと、1号保険っていって自営業やってる人たちの話なんですよ。
で、自営業やってる人よりサラリーマンの方が圧倒的に多い。2,123万人に対して868万人は4割ですが、
いわゆる2号保険、サラリーマンやってる人と、その奥さんの3号保険を足すとどうなるか。全体で見たら12%ぐらいまで減るわけなんです。
しかも、この868万人の内訳はどうなってるか。
破綻する破綻するって言ってますが、例えば母子家庭とか生活保護の人は免除されてるわけです。
それから学生の場合は猶予されてて、4年経ったら彼らは卒業の時に払うわけじゃないですか。
そういう免除・猶予っていうのが圧倒的多数。868万人のうちの528万人がこういう形なんです。
実際の本当の、悪意の未納者ってのは322万人しかいない。
これで見ると、全体の中の4.8%まで減るわけなんです。
この322万人ってのは、実は年度末までに払ってない人の数であって、
納付期間は2年後まであるから、2年後までに後戻りして払うこともできるから、
この2年後にはどうなってるかっていうと、さらに3割ぐらい減るんですよ。つまり、実質の未納率って4%切ってるぐらいなんですよ。
この話を新聞やマスコミが「5割」って書くんですよ。(なんでそんなミスリーディングな書き方するんですか?)
そりゃショッキングな方が嬉しいからですよ。
僕ね、年金官僚の人たちにいつも聞きますけども、
例えばグリーンピア問題とかで、あそこでいくら使われたって話も、
あれは全部還流して戻ってきてる話なのに、その戻ってきてるって話は
絶対に新聞は載せないんですよ。「損させた」ってショッキングな話だけ載せて、それに飛びつく人たちがいて、
ネット上で出回るのはこういう話ばっかになるわけなんですよ。(そうか、センセーショナリズムなんですね・・・
私いろいろ情報摂取してる方ですけど、それでも初めて知りました)そうなんですよ。
だからこれだけリテラシーの高い人でも広まらないっていう日本の問題はありますよね。
これでまず1つ目の嘘はいいですよね。
で、2つ目。
2つ目はね、国民年金が破綻してるから、基礎年金を税金に変えてしまおう、
消費税に変えてしまおう、僕らの負担をなくそうって話が出ているんです。
今、年金がどうなってるかというと、
1階建ての部分、自営業の人は国民年金、
サラリーマンとか主婦は2号3号に入ってると。こういう形で1階部分は基礎年金になってますよね。
それより上の2階部分が厚生年金で報酬比例になってる。
で、さらに3階の部分で確定拠出型年金とかがあると。こういう3階建てになってますよね。
この1階の部分は年額77万2千円、月々6万5千円ぐらいしかもらえない、しょぼいもんですけど、
この基礎年金を、全部税金に変えちゃった方がいいんじゃないかっていうのが、
民主党時代にすごく言われた話。そして今、維新が言ってる話ですよね。
否定されまくって民主党ができなかった話を今更言ってるわけなんですよ。
なぜできないかというと、この右側の方の吹き出しを見ていただくと分かると思うんです。
仮に年金を全部消費税に置き換えると、それだけで財源が13兆円必要ですから、
消費税額として5%の上乗せが必要なんですよ。これね、皆さん5%上乗せが必要になるってこと聞いてましたか?
維新は言ってたりするんですけど、でもそれだけじゃ足りないんです。
今払ってる人は、当然上乗せしてもらわなきゃおかしいと思うじゃないですか。
払わない人と同じ額じゃおかしい。だからこれは返す(納付者への増額または返還)って案がまず出るわけなんです。
今払ってる人に返すだけでも、3~4%の消費税上乗せが必要なんです。でも、(今払ってる人に)返しても足りないんです。
なぜならば、もう払い終わっちゃって年金をもらってるおじいさんたちがいますから。
その人たちには永遠に乗せ続けなきゃおかしいですから。1円も払わない人と同じお金をもらうってのはおかしいから、払った人には上乗せしなきゃいけない。
ここまで含めると、消費税が4~5%アップする。さっきの基礎年金分の充当分で5%、払った人への返還分で4~5%を乗せると、
9~10%の消費税アップが必要なんですよ。
基礎年金って、国が半分払ってくれて、残りの半分1万6980円を、
勤め人で言えば、企業が8,490円、個人が8,490円で負担する。年額にすれば10万円ぐらい個人が払ってるってことなんですね。
ところがこれを消費税化したら、個人が5%もしくは9%、
安い方で見ても5%、高い方で見たら9%も払わなきゃいけないじゃないですか。
年収400万円の人が消費税5%乗るってことは
4x5=20万円払わなきゃいけないんですよ。今10万円で済んでるもんが20万円払わなきゃいけない。
9%だったら4x9=36万払わなきゃいけない。こんなもの、つまり得すると思って詐欺に飛びついて、
詐欺ですごい損したってのと同じ話なんですよ。
で、この話もね、なんで消えないかって話もしときましょうか?
それは、勘違して知らない人が新しく出てくるからってのが1つなんだけど、
もっとずっこい理由があって、日経新聞とかがこれをずっと言い続けてる理由は、
これを見てください。
これね、企業の負担はゼロになるんですよ。
企業が今、8,490円払ってくれてるもんが、1円も払わなくて済む。で、企業はこの払ってる分だけでも、6兆円近い金を払ってんですよ。
6兆円企業負担が消えるってんで、企業はこれを消費税にしちゃえって、
全額個人負担にしろって言ってるわけなんですよ。
で、さらにもう1つ見てほしいんです。
一番可哀想なのは、生活保護とかで暮らしてる貧乏な方ですよ。
生活保護で暮らしてる方は、さっき言ったように今は免除もしくは最悪でも猶予されてるんです。免除とか猶予されて今取られてない人が、消費税になれば
生活保護でもらった金の中から結局その分を支払わなきゃいけないから、
これ負担しなきゃいけないことになるわけなんですよ。
つまりこれって、
「企業が得をして、貧乏な人が大損をして、普通の人もかなり損をする」
って仕組みだってことなのに、なぜ未だにこれに飛びつく人がいるか。(それはさっき仰ったように、企業のメリットがあるから?)
いや、それだけじゃなくて、よく考えずにこれを報道しないマスコミがいけないんだと思います。
これを説明する時に、僕この図があれば説明できるけど、
なかった時はなかなか分かってもらえないですよ、やっぱり。
俗論②「年金は積立方式が良い」
これは多くの識者、有名な人も相当間違えてる。
「年金は積立方式が良いんじゃないか」と。よく言われるのが、積立方式ってのは自分で積み立てたものを、自分が老人になった時にもらうんだと。
だから少子高齢化とか関係ない。自分が積み立てたもんだから。で、賦課方式ってのは、今の若い人がおじいさんを支えるから、
それはおじいさんが増えて若い人が減れば損する。
こういう話で聞くじゃないですか。
それは、ある面で正しいと僕は思います。でも、ある面で間違ってる。
見てない部分、不都合な部分もあって、不都合な部分を忘れてるってとこが大きいんです。
積立方式の問題点ですけども、1つ目、これは誰でもわかる、教科書に書いてある話。
インフレとかがあって積立額が減っちゃったり、バブル崩壊で大変なことになるかもしれないと、
こういう話が出ます。だけど僕、過去から見てみれば連綿と、株価の形とかも見てくれば、バブル崩壊とかあって
へこんだ時もありますが、50年60年って見てみれば経済成長以上に積立額って増えてるから、
まぁこれは僕は当たってないと思います。
で、2つ目の話は、ここは考えてほしいんですよ。
積立方式っていうのは、自分で積み立てた分を自分でもらうわけじゃないですか。
そうすると、1960年にこの国民年金って始まりましたけど、積立方式にした場合、
その制度が回り出すのは彼らが65歳になる2005年になるというのは気づきます?
その間はどうしたらいいですか。税金で、払ってない人たちのことを面倒見なきゃいけない。
こういうことになるわけです。今、日本の年金は賦課方式なので、1960年代の時にもう60歳になっちゃった人の分は
若い人が払えばいいってんで、これは1円もストックがなくても賦課方式なら動くじゃないですか。
ところがこれが積立方式だと、積み立てたものを自分でもらうわけですから、
積立制度が始まる前に生まれた人たちの分は、誰かが補填しなきゃならなくなるわけです。で、例えば1960年に60歳だった人は1円も払ってないわけですね。
その人が40歳だったとしても、もう20歳の時から20年分は払ってないから、20年分の欠損金が出ちゃうわけですよね。
そうするとやっぱり40歳だった人でも、これは結局補填しなきゃいけないじゃないですか。そうすると制度が回り出す2005年までの間、ものすごい国民負担が起きるわけなんですよ。
もう1つ大きいのがね、寿命なんです。
積立額ってのは自分で積み立てるわけなんです。
で、自分で積み立てて、将来、あの頃の寿命だと69歳が寿命だったんですね。そうすると始めた時69歳分までしか、寿命分しか積み立ててなくて、
今の寿命だと男の人でも82歳、女の人だったら85歳とかじゃないですか。そうすると69歳の分までしか積み立ててないからどうすんのって話が起きちゃうんですよ。
これが賦課方式ならば、その若い人と年取った人の仕送りだから、いつでも成り立つわけなんですよ。
ただし若い人の支払いが増えてくるのをどうすんのって問題なわけなんですよ。
そこのところをどう解決してくかってのが、今までの年金行政だったんです。でも、これ多くの国でどうかやってきたか。
日本ほど考えてないから、結構厳しい問題なわけなんですよ。そうするとやるのは、一番簡単なのは、定年伸ばして長く働いて現役世代を大きくして、
高齢世代を短くするって、こういうのをやるしかないじゃないですか。で、これを法律でビルトインしてるオランダみたいな国も多いわけなんですよ。
「寿命が3歳伸びたら2歳長く働け」って、こういう法律まで作ってる国が多いわけなんです。
でも考えてください。
あの昔のまんまの、60歳から年金支給で、今の85歳90歳まで生きる、
つまり、あのままで30年も年金もらってたら、どんな国だって潰れますよ。だからこれは、寿命が伸びたらその分後ろ倒しにするしか方法はなかった、海外でやっても。
日本はそれ以上にいい方法をたくさんやってるって話なんです。
賦課方式っていうのは、若い世代が年寄りの世代に送金するって形じゃないですか。
てことは1960~1970年、始めたばっかりの頃って、若い世代がものすごい大きい。
で、まだ寿命短い時代だから年寄りはほとんどいない。こうなってくると、若い世代はほんのちょっと送金するだけでいいんですよ。
だから年金が始まった時に、最初は500円とか1,000円のお金で良かったんですよ。今まで何にもお金を払ってなかった、年金なんて取られなかった人が、いきなり始めた時に、
500円や1000円だから「まぁいいや、払ってもいいか」ってことで、みんなが加入できたわけなんです。
ところが、これが積立方式だったらどうかっていうと、自分で貯めたもんを
自分でもらうって形なんで、定額をずっと払っていかなきゃいけないんですよ。積立方式にしとけば賦課方式よりも安く済んだかっていうと、確かに安く済んだ可能性はあります。
今が18.3%なんで、多分14~15%ぐらいで済んだだろうと思うんです。でもですよ、今まで1円も払ってなかった人が1960年を境に、いきなり14~15%払えって言ったって、
これ無理ですよね。賦課方式の場合は、ちょっとずつ増やす段階保険料方式って言って、ずっとちょっとずつ
上げてきたからなんとかできたけど、いきなりって、平準化方式って言うんですけど、
こういう仕組みってやっぱ無理なんですよね。
これが大きいと思います。
つまり、積立方式っていうのは、理想的に見えるけど色々問題があると。
賦課方式ならば、これインフレは一切関係ないんだって、
もらう金がすごいインフレだから生活年金増やさなきゃいけないけど、
若い人の給与もインフレで上がってるからどちらも同じなんで、
これはインフレってものは関係なくなるんですよね。それから現時点の即事決済のため積立金が必要ないんですよ。
積立金っていらないんですよ。だから賦課方式ってものは積立金が必要ない。
ここも覚えといてほしいもんなんですよ。
今から今に渡すだけなんだから。で、いくら長寿化しても高齢化しても、さっき言ったように若い人は困る。
困る部分をどうしのぐかだけの話であって、しのぎ方をしっかり考える限り、
この制度はもつって話なんです。
しのぎ方をどう考えてきたかって話をこれからしなきゃいけないんですけど、
その前に、積立方式ってのは、すごく新しくて小さな国しかやってないってことなんですよ。
大きい国は基本、賦課方式しかないんですよ。
シンガポールとかチリとかが、なかなか面白い制度でやってますけれども、
まあシンガポールってせいぜい600万人、人口は日本の1/20ですからね。あとチリもうまく行ってるか行ってないか、これも色々今揉めてるとこですけども、
でもチリだって人口は日本の何十分の1ですから。世界の中で賦課方式が圧倒的主流だってことは、見ていただければ分かりますよね。
俗論③「積立金は不足している」
こういう話を言う人もいます。
でもさっき言ったとおり、賦課方式って積立金必要ないわけじゃないですか。
世界の国は積み立てしてない国がほとんどなんですよ。日本は昔、若い人がすごく多くて年寄りが少なかったから、その時に余っちゃったから、
日本人は偉いからちゃんと積み立ててきたんで、いらないもんなのに積立金があるって国なんですよ。
これ見てほしいんですよね。これ高山さんって人が書いてますけども、
高山さんが「実は年金は破綻してないよ」って数字で証明してくれてるんです。一橋学派の人なんですけど、元々は年金が破綻してるから入った人なんですよ。
で、入って調べたら「あ、賦課方式なんだから関係ないよね」って。
破綻してないっていうデータを出してくれた人なんですよ。なのに、この後に続く野口悠紀雄さんとかは未だに年金破綻の話してんですよ。
勘弁してよって話なんです。
実際にやってくと、数列とか使って収束するかしないか、高等数学使って
考えなきゃいけないんですけど、過去の試算で2005年時点ぐらいの時に、
将来的に80兆円ぐらいのお金が足りなくなるよと。積み立てが1,000兆円以上ある中での80兆だから微々たるもんですけど、
これも保険料率をちゃんとアップしてけば、この部分も消えるよっていうんで、
料率調整したんで、これも今なくなってるんですよ。それなのに未だに勘違いしてる人たちが、積立金が足んないっていう。
あのね、本当にその積立金が足んないっていう人たちの間違いの始まりは、
積立方式だと思ってんですよ。賦課方式って意味を理解してないんですよ。
前提がおかしい。なぜそうなるかというと、日本の年金の仕組みは「修正積立方式」って言葉になってんですよ。
そうすると、「あれ、積立方式なのかな?」って、素人の、
特に、マクロ経済学者っていう外にいる人たちは、年金のこと知らないから、
で、俺は何でも知ってる経済学者だと思ってるから、そっから始まっちゃうんですよ。恥ずかしい話です、こんなの。
で、日本ってのはね。見てほしいんですこれ。
さっき言ったように積立額が非常に大きい。
いらないもんなのに、積立額が。これね、例えば持ってる積立金の額だけで、何ヶ月分支払いできるかという指標なんです。
これで見ると、日本ってのは4年近く支払えるお金を持ってるわけなんです。
G7の中でも圧倒的なんですよ。スウェーデンみたいな小さな国なら分かります。
しかもスウェーデンは、半分は積立方式でやってる国なんです。日本は賦課方式なのに、こんなに圧倒的に積み立てがある。
ほとんどない国もあるでしょ。こういう状況なんですよ。
なぜかって言えば、さっき言ったように1960~1970年代は若い人がすごく多くて、
おじいさんおばあさんが少なかったから、年金が余っちゃうから、ずっと積み立てといてくれたんです。しかも、この積立金が最近のいわゆるバブルですごく増えているというわけなんですよ。
(いわゆるGPIFとかが運用してるのは、この積立金なんですか?)
そういうことなんです。
今はものすごく増えている。ただ僕はわかんないです。
バブル崩壊したら減るかもしれないから怖いですけども。
で、マスコミは減った時だけ文句言いますから。
俗論④「年金保険料が上がり続ける」
しのぎ方を考えなきゃいけないって言ったうちの、最初のしのぎ方がこれなんです。これ2004年に、年金100年安心制度ってのはできましたよね。
あの時に、日本の年金制度はコペルニクス的展開を起こしたんですよ。
元々ね、年金っていうのは、おじいさんたちが必要なお金を出して、
若い人たちに「これだけ必要だよ」ってんで年金額が毎年上がる仕組みだったんです。
で、これだとどんどん苦しくなるじゃないですか。これは給付をもとにして年金制度を作るから「給付建て」って言うんですね。
で、世界の国はほとんど給付建てなわけなんですよ。日本はこれだと破綻しちゃうから、「拠出建て」って言って、
若い人はこれだけしか出せないからと、若い方から先に決めちゃって、現役世代の拠出額を決めちゃって、
で、おじいさん多くて長生きして足んなくなったら、おじいさんたちの額を減らして調整してるんですよ。
これを入れたんですよ、2004年に。
大変なことですよ。その時に、2004年に決めたのは、2018年度以降、日本の料率はもう一切上げないと。
まだ足りませんから、2018年までは料率アップしときましょう。
2018年で労使折半で18.3%払うようにして、それ以降は一切上げませんっていうのが
法律で決まってることなんですよ。上がってないんですよ。今、上げる上げないっていう話も時々聞きますけど、それは給付額を上げるためになので、
今の水準を維持するんだったら上げません。これを「マクロ経済スライド」っていうんです。
従来だったら、支払い額をどんどん拡大してこうって話ですね。
マクロ経済スライドは、支払い額を縮小して、払える方の額をFIXしましょうって話なんですね。
(なんでこれ増えてないのに、社会保険料とかがどんどん増えてるっていう風に
言われるんですか?増えてる印象があるっていうか)例えば、50年前30年前10年前って10年スペースで見てみたとするじゃないですか。
10年比較してった場合、2018年で止まりましたから、その前の10年と比べれば
2018年ってのは増えてるわけじゃないですか。
もう2018年でストップしてるって話は忘れられてるわけなんですよ。
(その割に毎年社会保険料が増えてるっていうイメージあります)
ひょっとしたらそれは、例えば子供関連の賦課が出ました。
今回から子供関連が出てきますけど、今んところ出てんのは企業側の負担だけ増やすんで、
私たちの方には入ってないんですよ。逆にいえば、年功昇級で日本人ってのは昇給しますから。
欧州のようにストップモーションでベースアップだけするって仕組みじゃなくて、
年功昇級してきますから年功昇級で上のランクになれば、社会保険料は増えるって
これだけの話だと思います。
俗論⑤「人口減で負担増」
昔は何人もで1人を支えてたのが、
それがいつの間にか2人3人で騎馬戦型になって、
今後は肩車になっていくって、こういう話されるんです。で、ずっと見てくと、そのうち1人で2人支えるようになって、
2人肩車みたいな風になっていくんじゃないかってのは、
みんなが怯えてるところだと思うんですね。これは実は、本当に説明が難しいんですけど、
年金の理論の本質を知らない人がこれを話してるんですよ。
人口がどんどん減っていけば、負担は増え続ける。
これは正しいか、正しくないか。(増え続けるは、まあ一時期は正しいかもしんないですね。
けどどんどん人口減っていけば、高齢者もいずれは減りますもんね)でも、高齢者に比べて若い人の層が人口が減ってくって形だったらどうです?
出生率が例えば2行かない限りは人口ってのは増えないじゃないですか?例えば1.2とか、今1.23ですけども、1.23でFIXされちゃうと、これはどう思います?
(やっぱ高齢者の方が比率は絶対高いですよね。
でも段階ジュニア世代とかが死んじゃうと、その比率は変わってきますよね?)さすがですね。
そこが分かる人って少ないんですよ。
これね、100人の村とか、1,000人の国って小さな単位で考えてほしいんです。
例えば今の世代は1,000人います。
それが次の世代500人になっちゃったら?だから500人が1,000人誘えなきゃいけないんで、1人が2人を支えなきゃいけないんで
2人も支えなきゃいけないじゃないですか。
これは大変ですよね。ところが、次の世代は人口は減りましたが0.8倍、400人に減りました。
人口は減り続けてるんですよ。減り続けてますが、減り方が一定になったら。
400人が500人を支えるんだったら1.25人で済むじゃないですか。
なぜこういうことが起きるかっていうと、
昔は、第1次第2次ベビーブーマー世代は 2.いくつの出世率だったのが、
今1.2とか1.3まで減っちゃったから、今の時期は異常なことが起きてます。ただ、第2次ベビーブーマー世代まで全部お亡くなりになっちゃうと、
1.2からその後、日本人って1.3になったり1.2に戻ったりで、ずっとFIXなんですよ。そうするとこれはいわゆる1人当たりの若者の負担ってのは、逆にこれから軽減されてくんですよ。
と言っても、これは50年先の話ですけどね。
これ見てください。
全世代が200人いて100人、90人、こういう減り方していった。
そうするとどうなるかっていうと、急減していく。そうすると、急減してった時は現役世帯が1人あたり2人を負担しなきゃいけないので
ものすごい大変ですけど、100が90に減ったところは1.1人で済む。
こういう話なんですね。で、見ていただければ日本の出世率ってのは、確かにベビーブーマー世代の時に
2を超えてましたけども、どんどん下がってって2005年に1.26で、1回目のボトムになって、
その後は1.2から1.45ぐらいの間でずっと推移してんですよ。こっからは減り方が一定なんですよ。
そうすると1人が1.34人負担するぐらいで済むような社会が50年後には来るわけなんです。
破綻はしない。
まだ私の時代は無理。
私の子供の時代でもまだちょっと無理かな。
孫の時代は大丈夫って話なわけなんです。(その50年をどうしのぐかってことなんですね)
そういうことなんです!さすがですね。
だからね、2004年に作った年金改革の100年安心プランっていうのは、
出世率っては2つ山があって、第1次ベビーブーマー世代と第2次ベビーブーマー世代があって、
ここが異常に大きくて、それだけじゃなくて全体的に大きかったものが、
1990年以降はだいぶ緩和されて、1.4ぐらいのものが1.3、1.2になってただけなんですよ、出世率って。
折線グラフで出てる青い方のグラフ見ていただくと、
まあこのあまりにもひどいところは、これは貯めといた積立金で何とか補填しましょう。
それからね、あまりにもおじいさんが多いんだから、これはマクロスライド方式で減額しましょう。この2つによって安定させて、まあ2050年とか2060年には安定した形になるよと。
こういう仕組みになってて、この計算は2004年の時よりもむしろ良くなってるんですよ。だから2060年頃には、日本ってのは安定した年金制度になっていくんですよ。
(うまく改革してるんですね)
ここまでやってるのに、これを理解しないで民主党政権がボロカスなこと言って
やったらうまくいかなかった。今もまた文句言ってるって話なんですよ。(無駄な時間ですね)
まあ無駄とは言わず、社会勉強で、皆さんの授業料だと思うしかないですよね。
つまり、将来的な均衡点は改善しつつあるんですよ。
で、どの辺で改善するかって言うと、所得代替率、現役時代の収入に比べて
年金がどれだけもらえるか。これがね、昔は61.7%もらってたのが、大体50%~51%で均衡するというんで、
まこれ何回試算してもこの辺で均衡するだろうっていう数字になってるんです。モリタクさんみたいにケチつける人は「46%まで下がる」とか言ってるけど、
それでも46%までしか下がらないわけなんですよ。
俗論⑥「将来、給付は減少する」
ただしの話、皆さんが不安なのは、61%もらえるのが51%まで減ったら、
手取りで2割減るってことですよね。この2割減はどうやってしのいだらいいんですかと。
所得代替率ってどういうものか。
年収700万もらってる人が6割もらえるから420万もらえるのか。
うん、これは甘い考えですよ。
700万円もらってる人のうちの固定給以外の部分は抜かします。
そうするとまず700万円もらってる人って、賞与が150万円ぐらいもらってるから
これ引くと550万まで減っちゃいますね。で、社会保険や税とかが50万ぐらい引かれるから、手取り部分って500万円ぐらいです。
これの60%もらえるって話なんです。だからもらえるのは300万円なんです。
ただし、ここもひどい話で、300万円ってのは専業主婦家庭、標準家庭で考えるんで、
専業主婦ね、奥さんの分の基礎年金の77万円を込みで60%って言われてるんです。もし独身の方だったら、この77万円を抜いて、223万しかもらえないんです。
で、考えると年収700万円の人が実際にもらえるのは、
年収ベースで考えたら3割ぐらいしかもらえないですよ。これが現実なんです。
だからここは覚えといてほしいんです。
これってね、結婚してる人はこれでも全然平気なんです。
独身の人は辛くなるんです。なぜかっていうと、結婚してる人って年収700万円あっても、夫婦で自由になる金なんて、
100万か200万しかないわけですよ。子供がいて、子供がいると家も広くしなきゃいけないから大きい家買わなきゃいけない、
もしくは借りなきゃいけないっていうんで、すごいお金が出てて、
月々にお小遣いって5万か10万もないわけじゃないですか。そういう生活をずっとやってるから、この生活になっても全然苦しくないんです。
慣れてるわけ。ところが独身貴族の人は、手取り500万円まるまる遊んでるから、
「500万円が200万円になったら生きていけない」ってみんな言うわけなんですよ。独身の人は相当大変になります。
だから貯めときゃいいんですよ。
今ね、50.8%しかもらえないって言ってんですけど、これは60歳で年金も支払い終えた時の話なんです。
今はみんな65歳まで雇用延長しましたから、65歳まで厚生年金払い続けるんですね。厚生年金を65歳まで払い続けるとこれどうなるかっていうと、54.4%。
2割引きじゃなくて1割引きで済むんですよ。
で、もう1つの問題はここね。
厚生年金は企業も負担しなきゃいけないから、企業も嫌だけど負担してるわけなんです。
それから本人も負担してるわけなんです、知らないうちに。ところが、国民年金ってのは、半分は国が払わなきゃいけないわけじゃないですか。
残った半分を企業と本人で半々にするわけじゃないですか。この国が払う方が嫌だっていうんで、国民年金は伸びてないんです。
60歳のままなんです。ひどい話なんですよ。
伸ばしたらそれだけで多分1~2兆円ぐらいの財源が必要になるんじゃないですか。
そうするとこれ財務省はYESと言わないんです。で、さらに言うと、65歳まで伸ばすって言うとアホなマスコミが
「年金はいつになったらもらえるんだ」と。今だって65歳でもらうのが当たり前で、65歳まで払い続けてるんだから、
国民年金も65歳まで伸ばそうって話なのに、いつになったら年金はもらえるんだ、
また年金を伸ばすのかって議論になって、それに飛びつく人たちがいるから、
この議論進まないんですよ。
で、仮にね、国民年金も65歳まで伸ばすと57.9%。
もうそんなに遜色ない数字になるわけなんですよ。(65まで働いた方がいいってことですね、絶対に)
まあ僕らは65歳まで働くのが基本じゃないですか。
その時に国民年金まで払えるようにしてくれた方がいいに決まってるじゃないですか。ここが一番やんなきゃいけないのに、ここが通らないんですよ。
国民年金の雇用期間内延長は最優先な課題なのに、これが文句言われてるってことは一番の問題ですよ。
で、ここまでくれば57.9%でしょ?
そんなにもう今と変わらなくなるじゃないですか。で、今は昔と違って専業主婦じゃなくて共働きも多いですから、
両方が57.9%もらったら逆に上回る時代になる可能性はあるわけなんですよ。で、ここから先さらにどうやって増やしていくか。
これは皆さん知ってる人も多いと思うんですけど、年金って1年後ろ倒しすれば、
もらえる額が年8.4%(月額0.7%換算)増えるんです。
で、1年前倒しにすれば年4.8%(月額0.4%換算)ずつ減少するんですよ。とするとね、50何%の8%ってことは5x8=40+αだから、4~5%アップするんですよ。
所得代替率って、もう1年長く働いたら60何%って行っちゃうわけなんですよ。(いや、長く働いた方が、70歳まで働いたほうがいいですね)
まあ働くか、じゃなければもらうのを後ろ倒しにして、その1年2年を別の収入で食いつなぐか、
つまり貯蓄を食いつぶすとか。
で、これで見てほしいんですね。
これね、ちょっと試算が面倒くさいんですけども、65歳で払い込み終了で、
現状のままだったらどうなるかと、現状に厚生年金を65歳まで払ったらどうなるか。
今どうなってるかっていうのは、この黄色のパターンですね。
65歳の時だと54.4%にしかならない。これに基礎年金も65歳まで納付するとどうなるか、オレンジ色のパターンで、
65歳で57.9%まで行ってますね。これだいぶいいですよね。これをさらに後ろ倒ししてったらどうなるか。
66歳9ヶ月までもらうのを後ろ倒しにすると、こういう数字になるんですよ。
67歳まで後ろ倒しにするとこういう数字になんです。で、オレンジのところ、一番上のは何かっていうと、67歳まで働いたパターンです。
働いたらすごい額になってますし、働かないで後ろ倒しにして、2年間別のもので食いないでも、
こういう数値、65%まで来るわけなんですよ。つまり、たった1年とかを食いつなぐか後ろ倒しにすれば、もうウハウハの状態になるってことは、
これは気づいといてほしいんですよ。(これ知ってたら65歳からもらおうと思わないですね)
僕はそう思いますよ。
で、これを計算するとね、72歳ぐらいでもらい始めるのが一番得するみたいな話ですね。
で、これ見てほしいんですね。
現在は、基礎年金、厚生年金、企業年金って3階建てですけど、この企業年金とか、
もしくは自分が貯めたいわゆる養老保険とかを前倒しに持ってきちゃって、
例えば65歳から67歳の間は企業年金の方をもらってそこで食いつなぐ、
もしくは養老年金の方で食いつなぐ、あれ2年払いとか3年払いってできるわけですから、
そうするとすごい額来ますから、そして67歳とか70歳から支給開始すると。昔はこう3本建てだったのが、そうじゃなくて継投方式に変えるっていうのが、
うまい生き方なわけなんですよ。
これ年金学会では「WPP」って呼ぶんです。
Work Longer (就労継続)、Private Pensions (企業年金)、Public Pensions (養老保険) 。こういう形でWPPって呼んで流行らせようとしてるのに、マスコミは全く飛びつかないですから。
(これ知ってるかどうかで老後の生活激変するじゃないですか)
激変しますよ。
こんな大事なことないのに、誰も言わない。こんな話が普通にね、もう流行り言葉でWPPなんて言うようになったら、
NISAと同じぐらい有名になったら、日本人の生活は安泰します。
その前に基礎年金5年間伸ばしてもらったら、かなり安泰しますよ。日本人の幸せ度が全然変わってきます。
安心だから若い時にもっとお金を使うようになるから、生産性も伸びるかもしれないですよ。(WPP流行らせましょう)
流行らせてください。
もう1つさらに言うと、今ね、妻の収入って、例えばパートで9万円とかあっても、
これって所得代替率にはカウントされてないんですよ。ないものになってるんです。ところが妻も、例えばこの家庭は月に46万円の収入があると。
旦那さんが正社員で37万で、妻はパートなので3号に入ってて9万円しか払ってない。
両方足して46万円って人は、これ妻の分は所得代替率に入ってなくて、旦那の分の所得代率の61.7%なんですね。
そうすると22万円しかもらえないんです。ところが、妻も厚生年金に加入すると、所得代替率が50.8%になっちゃったとしても、
妻が23万円、夫が23万円で、これ全部の50.8%なんで、23.4万円に伸びるんですよ。
つまり、夫婦でちゃんと働く。
例えば夫婦の単位時間時間は減らして、そんな昔みたいに残業なんかしなくてもいいから、
ワークライフバランス充実でもいいから、夫婦でフルタイマーを続ける。
正社員と言わなくても非正規でもいいからフルタイマーで働く。
そうすれば年金は伸びるんですよ。このパターンまで知ってて、つまり7%ぐらい増えてて、さらにさっきのWPPを重ねたら、
老後って楽々ですよ、35万ぐらい普通に入ってきますから。(確かに。よっぽどインフレが進んでない限りね)
まあインフレが進んだら、インフレに合わせるように上がるようになってますから。
(マクロ経済スライドでそっちもなってくれるようになってるんですね)
なってます、ちゃんと。
俗論⑦「昔の人は得だ」
次に言われるのが、世代間格差の話なんですよね。
厚労省自身がこういうもの出しちゃってんですね。
1940年に生まれた人は払った額の6倍も年金がもらえた。
今はたった2倍しかもらえない。でも今でも2.13倍もらってんですよ。2.3倍かな。
いやいや、こんないい保険ないですよ。
払ってる分の2.3倍もらえる保険なんてないですからね。
外資の養保険入るより絶対こっちの方がいいですよ。だけどもこの話はみんながムカついていると。
でもよく考えてほしい。
1940年生まれの人の親って1910年代生まれなんですよ。
この頃の人たちって、おばあさんは年金もらってないんですよ。そうするとどうしたかっていうと、1940年代生まれの人は、
ほぼ無年金のおばあ様を介護しなきゃいけなかったんですよ。
で、こういう負担があったって話はもう忘れられてますよね。昔は昔ですごい辛かった。
1940年生まれって、戦争中で物も食えずに育ったような人たちで、
戦後だってね、ギブミーチョコレートってやってた人たちで、
生活はすごい苦しかったですよ。で、この人たちって中卒率が60%とかなわけですよ。
高校行けるのは4割ぐらいしかなかったわけです。
そういう人のことを文句言うってのはちょっと分からないんですけどね。
で、これも見てほしいんですね。
1940年代生まれの人は年金未加入もしくは部分加入の人が非常に多かったんです。
年金っていうのは、1986年に大改革があって、1989年からは企業に務める限り
全員入んなきゃいけないようになったわけなんです。それから、その頃まで主婦は任意年金なんで、
主婦ってほぼ入ってない人ばっかりだったわけですよ。
つまり、1940年生まれの人でも、
生涯のうちの半分ぐらいの期間、年金に入ってない人がたくさんいて、
さらに主婦の場合は、ほとんど入ってなかった。
こういう世代なんですよ。私、2008年の時に調べましたけども、月額20万円以上もらってる人たち、
年間240万円以上もらってる人たちって、15%ぐらいしかいなかったんですよ。
2008年でもね。昔の世代の人はもらい放題と思ってるけど、
もらってる人ってほんの少ししかいなかったんですよ。
俗論⑧「繰り下げ支給上限の75歳延長は悪」
年金問題の敵ですね、森永さんがよくこんなことを言います。
で、煽るわけなんですよ。それで2022年4月にはね、繰下げ支給の上限を75歳にまで引き上げたんですよ。
で、この話もマスコミは要するに「後ろ倒しして払わないんじゃないか」って、
こういう話を言い続けるんですよ。
でもこの75歳までなぜ後ろ倒しにしたのかって言うと、さっき言ったように
1年後ろ倒しにすればもらえる額が8%増えるんです。それが70歳までだと8x5で40%しか増えないわけです。
75歳なら8x10で80%増えるわけなんです。
65歳でもらうのの1.8倍になるわけなんですよ。ここまでの猶予を作ってくれただけの話で。
これ考えてほしいんですね、国にとっちゃこれ後ろ倒しにすれば
8%ずつ月額が上がるからトントンで、別に得も損もしないんですよ。
後ろ倒しにしたらそれはインチキで、国がお金ガメてんだって考えは、
すごくチープな話だって気づいてほしいんです。前倒しにしてもらったら得するかっていうと、そうすると年額4.8%ずつ減ってくから、トータルで寿命まで生きた時の額は変わらないんですよ。
で、寿命以上に生きる人たちは、俺健康なんだと思ったら後ろ倒しにした方が
絶対得なわけなんですよ。俺病気だって人は早くもらった方がいいです。(そこを個人の自由に任せるってことですね)
そういうことなんです。
それで60歳から75歳までずっと、増やすか減らすか自分で考えられるって仕組みになってて、
国は一円も得してないんです、これは。
寿命はどんどん伸びてます。
でも伸びてるうちの7割8割9割以上が、これ健康寿命が伸びてるんですよ。
寿命が伸びてて健康寿命も伸びてんだから、その分長く働いても当たり前じゃないって僕は言いたいですよ。私は今年でもう60歳です。
若い時は確かに働くのしんどいなと思ったけど、「俺もうあと5年しか働けないの?」ってんで、
おじいさんになるともっと働きたいと思ってますから。(そういう人もいっぱいいますよね)
いっぱいいますよ。
はい、ここまでの話で、質問には大体全部答えたんですけどね。
(なんで森永卓郎さんとか影響力がでかい人がこんな俗説言っちゃうんですか?
彼めちゃくちゃ影響力あるじゃないですか)彼は・・・うーん、面白おかしいことをいう芸人だからですよ。
(そういう破綻するとかそっちの方がやっぱ受けるから)
政権批判とかね。
日経平均は3,000円まで下がるとか言ってますけど、面白おかしいことを言ってるだけですよ、あんなもの。(それを持ち上げちゃうメディアの問題ってとこもあると)
問題ですよ。
(年金って体系的に学ぶ機会ないんでしたっけ?義務教育とかの中で)
こんなこと教えらんないでしょ。
今みたいな図作って教えてくれる先生って相当いないと思いますよ。でも今、厚労省が出張授業っていって高校に行って年金の話やってるんですよ。
だけどそれに対しても、いわゆる年金反対派はすり込みだとか嘘つきだって言って
すごく文句言ってますよね。
(細かく理解するのは大変なんですが、結局ちゃんと収めて、もう安心なんで収めて、
その上でできるだけ働きたい人は長く働く、それだけでいいってことですよね?)働きたくないなら養老年金とか貯めといて、
で65歳から70歳までなら養老年金で食いつなぐとか、
もしくはDCとかDBとか自分で確定拠出したやつを5年間で支払ってもらって、
その間年金を後ろ倒しにするとか、こういう形でもいいですよ。(話を伺って、共働きの普通のサラリーマン家庭とか、そういうところはもうあんまり
問題ないなってわかったんですけど、1人暮らしと自営業者はどうなんですか?)自営業は厳しいですね。
(その人たちの声を聞くんで、政治家もそういう人たちが4割未納だとかって、
そういう話をしてるところもあるんじゃないですかね?)ここのところもうちょっと考えますか。
まず1人暮らしの人は、1人暮らしの人と同じ給与で、一家4人で食ってるわけですよ。
そしたら当然、遊ばなければ、俺たちと同じ生活したら、ものすごいお金は貯められるんですよ。ものすごいお金は貯められて、しかも生活レベルを落としとけば年金に着地できる。
そうしてほしいのが1人暮らしの方ですね。(今1人世帯って多いじゃないですか。今後さらに増えるじゃないですか。
その人たちがちゃんとやっていけるかなってのは、今日聞いて気になりましたね。
その生活水準ちゃんとコントロールしたりとかできますかね?)だから生活水準コントロールするのと、長めに働くってことは本人の努力次第だと思うんですね。
後ろ倒しに、もしくは養老保険貯めといて、生活レベル下げて、養老保険で5年間食いつないで、
70歳から年金もらうようにしたらいかがですか、そこは。この中で僕がいいたいのは、主婦とか高齢者じゃなくて、壮年期なのに非正規、
40代なのに非正規で、お金が少ないって人は、これは可哀想だと思います。こういう人たちには、要するに貧困者用の対策をちゃんとやるべきだと思います。
で、自営業の方の話ですね。
自営業でも、いくら頑張っても自営業の給与がものすごく低くて困ってるって人は、
貧困者と同じ対策をすべきだと僕は思ってます。そうじゃなくて、自営業でそこそこ儲かっているのに、国民年金しか支払いたくないって
言ってる人たち、これが僕は問題だと思うんです。それいう意味で言うと国民年金基金もありますし、様々な商品あります。
それこそNISAもありますし、払おうと思ったら外資系の養老保険もありますし、
やることは沢山あるんです。(iDeCoもあるし)
そうなんです。
で、僕ら企業の人たちは、企業に勤めてる人たちは得だって言いますけど、
その分僕らは払ってるんですから。企業年金とそれから厚生年金払ってるわけなんですから。
同じ額払ってれば同じになるわけなんですから。(分かりました、そこも知ってもらって、ちゃんとそこの対策を自分でやっていくってことですよね)
うん、まあ貧しい方に関しては、これ本当に施策はちゃんと作るべきで。
そこまで絞れば相当な数が減るわけなんですよ。
(貧しい人向けの対策と、この年金全体の話は別ですもんね)
別です。
非正規が2,200万人いるって言いましたけど、そのうち高齢者と主婦と学生が7割以上、8割近く占めてるわけじゃないですか。
実際に手当てすべきは400~500万人のうちの、さらに少しだと思うんです。そこまで絞って、300~400万人まで絞れば手当てできますから。
こういう風に割り切って、ちゃんと考えたらいいわけなんですよ。
番外編「マイナンバーカードはリスクか?」
それと、もう1つちょっと話しときたいことがあってね。
マイナンバーカードの話も、やっぱり人権派の人たちがいるから、すごくこんがらがっちゃったじゃないですか。これってずるいことやってない人にとっちゃ何の心配もない制度なわけじゃないですか。
バカな公務員が覗いたとかいう問題があって広がっちゃいましたけど、ああいう公務員のことは
徹底的に罰すればいいだけの話ですよね。
で、ここもね、ちょっと聞いといてほしいことがあるんですよ。
今ね、マイナンバーの紐付けが間違ってたって人が9,000人ほど出てるんです。
これをマスコミは騒ぎすぎてると思うんです。だって、1万人に1人ですよ?
(1億2000万人のうちの9,000人ですよね)
そうなんです。
で、この件でね、面白い話を知ってるんですけど、
日本がコロナ給付やった時、みんなに10万円ずつとか配ったじゃないですか。あの時、山口県の村が間違えて1人に4,630万円払った事件があったじゃないですか。
で、あの事件がワイドショーとかで1週間中どのテレビでもやってたじゃないですか。アメリカではあれを番組にしてるんですって。
なぜだと思います?(よくあるから?)
そうですよ。
アメリカのコロナ給付の時に、所得税を還付するっていうんで、
小切手でプッシュ型でガッと送る、むちゃくちゃ荒い策をやったわけなんです。その時、間違って63億円払ったんですって、1人に。
それでも放送は1日で終わったんです。だから、日本は細かいことにうるさすぎるって。
これ1つの問題ですよ。
(マイナンバー反対の人権派って一体、日本に何人いるんですかね?
そんなに気にしてる人います?なんか左派の人が変に強調してるだけですよね)その結果どうなったかって言うと、マイナンバーって社会保険があり、税務があり、
家族状況があり、住民表がありって、こういうものを全部別々のサーバーで、
絶対に一括で入れないような仕組みに、わざわざお金かけてしてるんですよ。社会保険の問題、なんで紐付けに失敗したかっていうのも、あれ例えば名前を打てば、
名前打っただけで全てのサーバー回って、名前が同じで、その中のうち住所が一緒で、
年齢も一緒で、性別も一緒って人を自動的に探して、「この人たち一緒だよ」って
紐づけてくれるなら、名前を打つだけでいいんですよ。ところが、それ全てのシステムに名前打って、その上に生年月日打って、
で、そこまでで公務員やめちゃった人がいるんで、同姓同名同年齢って人がいて、
それがぶつかっちゃったらしいんですけど、さらに本当は住所まで打って、性別まで打って、
そこまで適合しなきゃいけないっていうのがルーチンだったんですよ。
これも何のためにやったか。
その人権派の方々のせいで、ものすごいシステムにお金がかかる上に、
公務員に手間がかかるようになっちゃってるんですよ。(針小棒大なことがメディアで大きく伝えられて、それで実際の制度が変わったり、
システムまで変わって、すごい手間がかかってるってことですよね)今日の年金の話でも、最初からマスコミが変な方に乗っちゃうと、
こういうことになるんだってことが、よく分かっていただけたと思うんですね。
(海老原嗣生)