古田敦也がストライクだと確信したにも関わらず、球審がボールの判定を下した。
これは通称「落合ボール」と呼ばれる。
落合博満が自信をもって見逃した球はボールと判定されるという都市伝説の一つである。
しかしこれは落合が好打者で選球眼が優れているからという理由だけではない。
彼は日頃から審判とコミュニケーションを取り、良好な関係を築いていたそうだ。昔は選手と審判がロッカーなどで会う機会もあったため、軽い世間話などをして
徐々に仲良くなり、仲間にも審判だけは絶対にヤジるなと注意していたりした。そのように審判を敵に回さないように日頃からプレーしていたので、
ときにはど真ん中のストライクもボールと判定してもらうこともあったそうだ。
また際どいボールが来たときの審判への聞き方もコツがあると語る。
選手の多くは「ゾーン一杯ですか?」と聞くが、それでは審判は「一杯だ」と言うしかない。だから落合は必ず「まだあるか?」とだけしか聞かなかった。
それで「いやもうここまでだ」と言われれば、審判が取るゾーンを正確に把握できるのだ。
今の選手って審判とそうやって気軽に話するっていう場もないんじゃないか?
だから昔の野球って退場者が少なかったんだよ。「野球を見に来てる人は、選手を見に来てるんだからむやみに退場させるな」
というリーグからのお達しがあったって話は審判から聞いたことがある。だから結構審判にはいい思いさせてもらったよ。
それはなんていうの、怒らせないような下地を作っていくってのも大事なんだ。
(落合博満)