無償にして何学ぶの?

いわゆる「教育無償化」っていうのも、自民党から共産党までみんな教育無償化を
言いますけど、定義がよくわからないというか、ここをきちんとしないと。

正直ね、私、大学の無償化は反対なんですね。
なんでかと言うと、まずみんながみんな四年生大学に行く必要ないと思ってるから。
いろんな人生あるので。

しかも、今現に存在している大学を全て前提にして、それを無償化したら、
単なる授業料の立替え払いになっちゃうので。

やっぱりこう、いい意味の競争が働かなくなるでしょ。

大学はむしろ、行く人に対する支援であって、大学というインスティテューションに対しての
支援をやる必要は全くないと思ってます。

だから、奨学金を圧倒的に充実させるとか、どの大学に行っても適用される、返さなくていい
給付型奨学金の対象範囲を、今は低所得の世帯だけに限ってますけど、もっと所得要件を下げるとか。

(教育の無償化っていうのは、授業料を国が大学に払うから、むしろ大学が潤うって感じですか?)

そうですね、だって授業料無償化って、親から学生からもらうやつを代わりに
国が払うことになるわけですから。それは私あまり良くないと思います。

(それはちょっと大学の競争原理もおかしくなって、いい大学が切磋琢磨しなくなると)

教育サービスの提供側に支援するのか、教育サービスを需要側、受ける側にするのかで、
同じような教育無償化と言っても随分要素が違ってくるので。

私は教育の提供者側に対する支援っていうのは、基本的にはほぼ全員が行く高校までは
いいにしても、大学・大学院まで含めて、サービスの提供者側に対して授業料を肩代わりして
入れますみたいなことは、やめた方がいいと思います。

(高校と大学で大きく違うっていうのは、大学は行くべき人が行くというか)

自らの選択でね。

今は事実上、高校までが義務教育化してるような感じになってるし、児童手当ても今までは
義務教育過程の中学卒業までだったのが、伸ばして高校にしたので、そういう整合性と、
18歳を成人年齢にしたこともあるので、18歳までは一定程度、施設に対する支援も含めて
やったらいいと思うんだけど、大学・大学院まで含めて全部、授業料無償化みたいな話はね、
私はちょっと違うと思います。

確かに、北欧みたいに博士家庭まで全部、学校もみますみたいな話も、
1つの考え方ではあると思うんですけど、やるんだったらそれは基本的には、
国立大学に限定するとか、なんかやんないと、今ある大学を全部前提に
とにかく無償化しますっていうのはね。

今、日本の教育で欠けている議論は、教育の質の問題です。

経済的負担を下げることは確かに大事なんだけど、これからを生きていく子供たちに、
どういう質の高い教育を施すのかっていう、コンテンツの議論が日本の政治の界隈では
ほとんどなされないので。

無償にして何学ぶの?

玉木雄一郎