広島から戦力外通告を受けていた小早川を、「カーブ打ちの天才」と評価して獲得を決めた。
97年の開幕、東京ドームの巨人戦で5番に起用した小早川に対して、野村は
「斎藤(雅樹)は、3ボール1ストライクになると、決まってアウトコースにヒュッと変化球を投げてくる。
それを誰も打とうとしない。お前、狙ってみんか?」と耳打ちしていた。小早川は1打席目で斎藤の失投をバックスクリーンに叩き込んだ。
バッテリーは小早川を警戒し、2打席目のカウントは3ボール1ストライクとなった。
小早川は「ワンスリーになったとき、野村監督の言葉を思い出し、狙いをアウトコースの
変化球に絞った。そうしたら本当にカーブが来た」と回想している。フルスイングから弾き出された打球はライトスタンドへ運ばれ、
3打席目にもこの日3本目のホームランを放った。
このシーズン、劣勢が予想されたヤクルトだったが、開幕戦で巨人のエースを打ち崩したことで
自信をつけ、リーグ優勝と日本一を達成した。斎藤は小早川にカウント球を狙われたことによるトラウマで、このシーズンは6勝に終わった。