日本トップの頭脳「東大理三」のほとんどが医者になってしまうことの是非

(なんで医学部に行きたいんですか?
 お医者さんになりたいから理三を受けるんですか?)

偏差値が高いからなんじゃないですか?

(Tehu)

やっぱり受験を得点ゲームみたいな形で、今まで中学入試で来た人たちなので、
そのまんま得点取りゲームの、受験ゲームの最頂点、ラスボスを目指すっていう感覚の人は
いるのかなっていうのが半分と、あと半分はお医者さんの息子さんが結構多くて。

(趙慶祐)

開業医の息子ってのはめちゃくちゃ多いですね。

(Tehu)

(他の分野でもやりたいことがあったら乗り換えることはあるのか?)

僕は結構そういう感じで生きていきたいと思ってますけど、
なかなかでもやっぱり死ぬほど努力いるんで、その子たちになんか
「アンパイの医者なんかやめてさ、夢見ようぜ」ともハッキリは言いづらいというか。

(ベテランち)

そこってこう社会のためだったら、もしかしたら研究者だったり、起業家だったり、
もっとレバレッジが効くところになって欲しいっていうのはあるかもしれないですけど、
その人個人の幸福だけを考えたら、医者ってそんなに悪くない選択肢だと私は思いますけどね。

(趙慶祐)

前にね、ある大学医学部の先生と話した時に、
医者には 2種類あって、医者と医学者がいる」って言われたことがあって。

医者ってのは、いわゆる一般的なイメージの開業医とかになってね、
まぁお金がっぽり儲けるみたいな人です。

ただ医者って意外にみんな勉強してない。
開業してしまうと。

だから例えば今の50歳ぐらいの開業医の先生とかに診察受けると、
30年ぐらい前の医学の常識で治療してたり、古かったりする。

で、医学者っていうのは研究者であると。

大学の医学部とかそういうとこに行って、ずっとこう学びを続けて新しい研究、
常に最先端を追いかけるっていう。

だからそこは一緒にして欲しくないってことを強力に言ってる人がいて。

で、医者になるのがいいかどうかって言うと、割に一般的な社会のイメージとしては、
なんか「金儲けにばっか走りやがって」みたいなね。
家でベンツ乗って、週末ゴルフしてみたいな、そういうイメージがあると思うんだけど、

実は日本の医学って超先端的だし、素晴らしい国民皆保険制度も持ってるし、
これはやっぱ守んなきゃいけない世界なので、そこに優秀な人が行ってもらえるのは、
すごくありがたいことだってことはまず認識した上で、

さらに医者の中にも、そうやって常に再先端の研究をしていく人たちもいるわけで、
そこに優秀な人材が投じられるのは、社会としても全然悪いことじゃないですよね。

だからそこはね、なんか金儲けしやがってっていう一般社会の妬みは一旦切り離して
考えたほうがいい。

佐々木俊尚

(理三の人たちは医者が安定だから理三を選んでるのか、
 それとも人助けをしたいという思いがあって理三を選んでるのか)

まぁどっちもあるとは思いますけど、今おっしゃったことで言うと、
研究医になるイメージめっちゃ言われがちなんですよ。

理三行ったらもう大体研究医になるんじゃないの?」みたいな。
それは間違っていて。

研究者さんって要は、大学院生になって単位を取りながら、
その期間はもう医者としてバイトして稼いでるみたいな形なんで、
待遇としてはめちゃくちゃ厳しいというか。

なかなかそんな大勢ができることではない、っていうのが実情かな。

(ベテランち)

総合商社、あとは外資系のコンサルが人気だったっていうのも今変わりつつあって、
まぁスタートアップが結構人気が出てきてるなっていうところで、
学生で起業されたい方から相談いただくことは結構多いですね。

で、実際ベンチャーキャピタルももう東大に来て授業をやって、
そこで優秀な学生を発掘して、起業を勧めたりっていうところはあるので。

ただそこが行き過ぎると、
「ファッション起業」みたいな言葉もちょっと出始めてるんですけれども、
学生の間に起業してそれが潰れても別に傷は負わない、むしろ勲章になって
商社に行けたりもするから、「とりあえずやっちゃえ」みたいなところは、
逆にちょっとリソースの無駄遣いになっちゃうんじゃないかな?と危惧してます。

(趙慶祐)

彼の会社もそうですし、私の会社もそうですけど、結構同級生をヘッドハントし始めてます、最近は。

灘校の同窓会で、官僚になった奴を、そろそろ官僚いいかなっていう時期に、
どう?って声かけて、今うちの会社で一緒に働いたりとか、そういうことはしてますね。

まぁそういう形でもいいので、どんどん後からでもこういう業界に入ってきてくれればなぁと。

(昔に比べてそういう動きが激しくなってきたんですか)

それは間違いなくそうだと思います。
やっぱ官僚になった子たちが、官僚で一生やろうっていう風に思ってる子はほとんどいないので。

なぜ医学部目指すのかってところで忘れちゃいけないのは、親と塾の影響。
これは忘れちゃいけなくて。僕は親からは「理三目指してね」って言われてました。

で、小学校6年生1月、合格発表に行って出てきたところで塾がビラを配ってるんすよ。
「次は東大だ」っていうビラを。

鉄緑ね)

そうそう、僕は名前言うてないぞ(笑)
そういうのを配ってる塾があって、やっぱそこから始まる。

で、灘の先生も、「お前らせっかくここに入ったのに、自由にやらずにまた塾行くのか」って
呆れるぐらいの感じで、それはやっぱ親の洗脳だったりとか、そういうものもすごくあるので、
自分の意思で選んでるなら素晴らしいんだけれども、果たしてそうなのかなって思う瞬間はあります。

僕は自分の好きなものに出会えたので運が良かったと思うけど、
別に僕みたいなのがいいと僕は思ってないです。

僕はありがたいことにそれが選べたからだし、自分にとってちょうど良かったし、
受験も楽だったから選んだんですけど、でも自分のやりたいことが決まってないんだったら、
なるだけその後で選択肢が広くなるように頑張るのは正解だと思ってて。

で、受験においては理三って多分それの最高の選択だと思うんですよ。

(理三行ってても一般就職はできると)

大学3年生の進振りって基本大体どこにでも行けると僕は思うんですけど、
なのでなるべくいいところに行っておくってのは、それ自体は僕は間違った考えではないと思います。

(Tehu)

でも研究者は貧乏すぎるんで。

(ベテランち)

やっぱり「研究者かっこいい」って風調あるんですよ。
清貧じゃないですけど。

ただそこに関して、もう少しお金が流れるような仕組みが、
今スタートアップも関連しながら作られていってるとは思うんですけれども。

(趙慶祐)

皆さんは「AI 研究者になってほしい」って思うかもしれないですけど、
AI 研究者だって食っていけるかわかんないですからね。
5年10年で全然変わっちゃう世界なので。

それに比べたら、医者になっておく方が・・・というのはある。

(同窓会の空気を知りたい。
 みんなちゃんと自分の軸があって、自分の幸せを感じてるのか)

そうなんじゃないですかね。
なんかその、暗い感じはしないですよ、皆さんその、皆さんなりに楽しんでて。

で、さっきのね、その「日本をより良く」みたいな意味でいうと、
僕は割とそういう日本をより良くしたいという思いが強いタイプなんで、仲間内で
ちょっと一緒にさ、日本変えない?」みたいなのを自由に言える空気はすごくあるんで、
いい空間だと思います。

(Tehu)