堀内恒夫監督はシーズンを通して使い続けてくれました。
一軍で投げさせてもらった経験はその後、大きな財産になっていきます。
当時は正直きつかったですが、今となっては堀内監督にとても感謝しています。
シーズン最終戦が行われた10月5日、堀内監督は任期を1年残しながら、
8年ぶりのBクラスとなる5位に沈んだ責任をとって辞任を発表しました。
この日の広島戦でも、堀内監督は9回の“最後のマウンド”に僕を送ってくれました。チームが低迷し、自分も思うように結果がついてこないままマウンドに上がらせてもらうのは、
申し訳ない気持ちでいっぱいでした。堀内監督が球場でみんなと最後の挨拶を交わしていたとき、謝罪をしに行きました。
すると逆に、堀内監督から叱咤激励されたのです。
「謝る必要なんてない。俺はお前に夢を見たんだ。
巨人軍を再建するには、若い柱が絶対に必要だ。お前にはその資質がある。自信がないだって? そんなことは当たり前だろう。
なんの実績もないヤツが、自信なんて持てるわけがない。
お前は自分を信頼する必要なんてない。200勝投手の俺を信頼すればいい。
お前にはすごい素質がある。俺が言うんだから間違いないよ」
堀内監督の熱い言葉を聞いていると、涙があふれてきました。
絶対、このまま終わったらあかんーー。心の中でそう誓いました。
我慢して使ってくれた堀内監督には感謝してもし切れません。
もしプロ2年目にすごした1年間がなければ、僕のプロ野球生活はもっと早く終わっていたと思います。
(内海哲也)
