確かに楽しいかもしれない。
出会った男を馬鹿にし、こき下ろし、ガールズトークのネタにする。
そうすることでプライドは保てるし、女同士固い絆が結べる。だが同時に、大事なものを失っている。
その男の可能性だ。
値踏みによってテンション下げたお前は、男のそういう部分に触れることなく、
他の男に対しても常に上からジャッジを繰り返す。思考回路はパターン化され、誰を見てもときめかない。
そして時速300キロで負け犬街道を突っ走ることになる。
いつか孤独に歳をとって、玉川上水に身投げしたくなっても、
お前の隣に太宰はいない。一人で恋愛市場をひたすら回ってろ。
回転寿司のように肌がカッピカピになるまで一人で。
(十倉誠司)