衝動

私は今、少しも酔ってない。
酔って倒れたイガグリ頭の男が、カッコよく見える。
厄介だ。

苦いというこの人の夜が、甘くなりますように。
この人の人生を、甘くしてあげたい。

今の私の気持ちは、人間が持ちうる最も愚かなもの。
でもこの衝動は、抑えられない。

人生は選択の連続だ。
自分の価値観に合う結果を導き出せば、人はそれを ”いい選択” ”正解” と言う。

二十歳、人生の価値観が曖昧な年頃。
表が出たら、お母さんに従ってあげる。
裏が出たら、お母さんは泣くわ。

コインは表だったのか、裏だったのか。
投げながら私はどちらを望んでいたのかしら。

少しだけ悲しんでて、お母さん。
平凡な男じゃなく、上等な男に仕立てるわ。
私が。

 (チョ・イソ)