七人の侍

あれって、最初からああいう映画を撮ろうと思ったわけじゃなくて。
そもそもの発端は、「江戸時代の侍の一日を再現した映画を作ろう」というのを動機にして始まったんですよ。

それで侍の生活を徹底的に調べて、そこから企画が二転三転してその末に『七人の侍』の物語になっていたんです。
言ってしまえば、詳細な調査から制作が始まっているんですよね。

「侍が七人登場して盛り上がる話を作ろう」というのではなくて、まず侍というものを徹底的に調べて調べて調べた先に、
こういう状況ではどうなんだ、この時はどう行動するんだって形を変えていって、『七人の侍』という超傑作が生まれてしまった。

もしそこで武士の生活を徹底的に深掘りしていなかったら、あそこまでの傑作にはならなかったと思うんです。
最初から設定ありきだとかストーリーありきだったら、『七人の侍』ってもっとぜんぜん違う映画になったんだろうと思います。

(hamatsu)