くり返し くり返し くり返し うたう

僕たちは生活サイクルもシンプル。ツアーをやります。ツアーが終わります。
楽しかったねえ、ちょっと休もうか、って言って2週間くらい休みます。
で、スタジオに入ってレコーディングします。そして、ツアー。
それをずっとくり返している。

バンド以外の時間はほとんど家から外へはでません。
何時間でもステレオセットの前に座って、レコード聴いています。
気がつくと朝になっていることもよくあります。

甲本ヒロト

散歩しているときとか、お風呂に入っているときとか、トイレでしゃがんでいるときとか、曲はぱっとできちゃうよ。
頭の中で急にメロディが鳴り始めたり、変な言葉が生まれてきたり。

真島昌利

スタジオに入って、こんな曲ができたよ、って僕が1曲聴かせるでしょ。
それをメンバー4人で練習する。

30分くらいでなんとなくいい感じになってさ、じゃあ次も僕の曲をやるよ、
って言ったら大人げないでしょ?だから、次はマーシーやんなよ、と言う。

で、マーシーの曲をやるでしょ。すると、マーシーが次はヒロトだね、って。
だからいつも半分ずつです。
それである程度カタチになったらレコーディングします。

夕方になる前にスタジオを出て、たいがいはみんなで回転寿司に行きます。
回転寿司はいいよね。だって、店に入ったらすぐに食べられるから。

食べ終わったら、家に帰ってテレビで相撲を観て、レコードを聴いて、
翌日はまたスタジオ。毎日楽しいですよ。

(甲本)

うん。楽しい。

(真島)

レコーディングというと、メンバーそれぞれが別のブースで演奏して、
後で音を重ねると思っているでしょ? 僕たちはそんなことはしません。
みんなで一緒にバーンと一発録り。ライヴと一緒。

そりゃあ、別々に演奏したほうが音はきれいに録れますよ。
でも、それだと、楽しくない。楽しくないことをやるって、よくないと思うんです。

(甲本)

僕たちは1曲につき1日に1回か2回しか演奏しません。
どんなに多くても3回かな。

テイクを重ねると、どんどんよくなくなっちゃう。
だから、レコードやCDにするのは、たいがいは1テイク目です。
少しくらい演奏を失敗しても1テイク目がいい。

(真島)

同じ曲を何度もやると、飽きちゃうからね。
それに、2回目って、1回目にうまくいかなかったところを上手にやろうとするでしょ。
カッコつけちゃうでしょ。そうすると、つまらない音になってしまうんですよ。
海で泳いでいたつもりなのに、プールで泳いでいるみたいな。

そうすると、その曲を自分たちが愛せなくなってくる。
やっぱりさ、自分の愛せるもの、好きなものをみんなに届けたいんです。

(甲本)