最高の歌詞を書く人 30選

漠然と感じていたことを、上手く言語化してくれているコメントがいくつもあったので、書き起こしてみました。
一人5票で、1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点で集計した結果とのこと。

 

順位 アーティスト名 リスナー投票コメント みの氏コメント
30位 山田亮一/ハヌマーン ハヌマーンの楽曲の歌詞はどれも若者の生活と大阪の街の空気にどうしようもなく溢れている。平成の阿久悠の異名(自称)を持つ彼の詞はあまりにも唯一無二だと思います。中でも『アパルトの中の恋人たち』は邦楽史における最高峰の詞だと思います」

「文学的でもあり、ひねくれたところもあり、日本語使いのプロ。リズムを重視する歌詞のはめ方と歌い方が好きすぎます。彼が他のアーティストに密かに与えている影響が計り知れないです」
せっかくなんで実際の詞を読んでいきたいと思いますね。

「アパルトの中の恋人達
 愛し合うと云うにはおぞましいほど
 醜い行為に果てた後で
 ざらっとする後ろめたさは何だろう」

ちょっと童貞にはわからない歌詞ですよね(笑)いい詞だと思います。
29位 吉井和哉THE YELLOW MONKEY 「思いもよらないフレーズが満載。高濃度なエロスと悲哀をはらみつつ、どこかドリフのような昭和コメディーを持ってして大衆に届く歌詞を作る吉井和哉は唯一無二の存在であり、日本のロックシーンにおいても最も重要な作詞者である」 確かにエロスはキーワードかもしれないですね、吉井さん。
まあエロスを描く作詞家だったら桑田佳祐とかも筆頭だと思うんですけど、吉井さんはまた何でしょうね、別種の個性が際立ってますよね。
28位 稲葉浩志/B'z 「唯一無二。ウルトラソウルの歌詞なんて稲葉さんにしか書けない」

「考える間もなくダントツNo.1。人生で何度生きる選択をくれたかわからない。成功者でありながらもモテない男の心情を的確に表現するところや、努力することの大切さを示しながら、自身がそれを体現し続けている」
Base Ball Bearの小出さんと動画撮った時も、このウルトラソウルがいかにヤベーかっていうね、会話あったんですけど。だってサビでウルトラソウルって言って、それがかっこいいロックになるっていうそのセンスたるや、すごいものがありますよね。

こういうさ、モテない金がないとかの詞に感情移入してる時にさ、ふと冷静に「でも詞書いたやつめっちゃ金持ってるじゃん、イケメンじゃん」とかね、思う瞬間ありますけど(笑)そういうのを感じさせないということですよね。
27位 ケンドリック・ラマー 「『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』の対訳読みながら聴いて心が震えました。もう二度とあんな体験はできないと思います」

ジーニアスを見る目が止まらないアーティストだし、歌詞解釈をすればするほど味が出てくる。『グッド・キッド・マッド・シティ』の罪の意識からキリスト教を通じて本当の自分を見つけるまでの軌跡が素晴らしい」
海外のアーティスト初めてここで入ってきました。

ジーニアスは、海外の歌詞解説サイトですね。

亡き2パックと対話をするスキットが『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』に入ってたりしますけど、そういうアイディアもかなり非凡ですよね。
26位 ルー・リード 「純文学のような物語をロック・ポップスに落とし込んでいる点。『ペイル・ブルー・アイズ』の美しさは今でも忘れられない。その一方で既存のポップスではできない過激な歌詞もあり、そのギャップというかアンバランスさにも惹かれる」 これは洋楽のいい詞書く人の筆頭みたいな感じだと思いますが。

ルー・リードね、めちゃくちゃいいけどハマりすぎるとちょっと暗い気持ちになりますよね(笑)いや明るい曲もあるんだけどさ。
ベルリンとかね、描いてるストーリーはもの凄いんだけど、あのアルバムにマジで向き合ってると持ってかれそうな気もするという。
25位 モリッシー 「何の個性もなく、いじりもいじられもしないような人たちの、ささやかな幸せと秘められた悪意を言葉として紡ぎ出せる人」

「過激なアイロニーと、弱者の視点に立った優しさを併せ持つ、文学性の高い詞に大きな魅力を感じるため」

「シニカルで繊細で心の端にあるようなことを堂々と真ん中に持ってこられたような衝撃があった。当時そういった詞を書いて歌う人は少なかった」
この表現いいですね。

やっぱモリッシーはこう、弱者に寄り添ってくれる感じ。唯一無二のものがあると思いますね。
24位 野田洋次郎RADWIMPS 「一種の発明に近い表現を確立したと思う。『前前前世』といった造語から、『有心論』のような物語性のある表現まで、日本語の面白さを活かした詩を作っている」

「ヒステリックに恋人を想うものや、社会風刺的なものまで、様々な歌詞があり、どんな歌詞にも感動するから」
これも入ってくるよなーでも。

確かにそうですよね。ちょっとそこまで妄想いっちゃうとストーカーになっちゃうんじゃないみたいな歌詞とかね、ありますもんね。
23位 山口一郎/サカナクション 「詞にかける情熱が凄まじい」

「『エンドレス』という楽曲では作詞に8ヶ月かかったというエピソードがあります。そこまで考え抜かれていることが伝わるものすごい内容」

「言葉選びや言葉のリズムが他のアーティストとは一線を画しているから」
これは入るよね絶対に。

めちゃくちゃ伝わってくるもんな、この人の詞って。

8ヶ月やばいですね。この人は本当に、その言葉のチョイス、意味とか表現だけじゃなくて、母音とかまでこだわるタイプだと思うんですよ。

音になった時にどんだけそれが響くかみたいな。そこへのこだわりが、山口さんは特にずば抜けて時間をかけて緻密にやってるなっていうイメージですね。
22位 宇多田ヒカル 「言葉の選び方、情景の表現の仕方が美しい。だが内容は人間臭さが強いところがいい。その上で日本詞でも韻を踏んでいるテクニックの面の評価点も高い」

「私はアメリカで育った日本人ですが、彼女の書く日本語英語両方とも大好きです。固有名詞や言葉の質感が、時代を追うごとに変化しているところも魅力的だと思います。7回目のベル、ウーバーイーツなど」
宇多田さんも入ってきますよね絶対に。

そう、宇多田さんの歌詞ってめっちゃ人間臭いんですよね。

宇多田さんもやっぱり海外長いですからね、そのあたりの感覚はこのコメントくれた人と共通するところがあるんじゃないでしょうか。

確かにね。だってファーストアルバムってポケベルとか確か出てきますよね。歌手でさ、時代を特定できる表現を使うのか、避けるのか。<br>避けたらまあそれはそれで普遍的な感触にはもちろんなるんだけど、避けないことで逆に時代が閉じ込められる、パッケージされるみたいなね。
まぁ2つの考え方あると思うんですけど、宇多田ヒカルは確かにこういう詞いっぱい出てくるよね。
21位 米津玄師 「いわゆる藤原基央野田洋次郎といったストーリー詞の系譜なのだが、前者2人が丁寧に説明を積み重ねるのに対して、この人は省略表現が圧倒的にうまい。言うなれば導入から惹きつけられる小説のような詩である。ラブソングの導入を「現れた」で始められるのは、おそらくこの人だけだろう」 はい、まあ彼も入ってくるよなぁ。

なるほどねー、めっちゃいいコメントじゃんこれ。

タイアップ曲での、相手作品への理解度の高さっていうところがコメントで5つぐらい来てて、あんまりこういったタイアップ曲を作る際の姿勢を褒めるコメントって見たことがない気がするんですけど、まあ確かにね。
しかもさ、米津君ぐらいの規模感になったらタイアップをする機会も多いわけじゃないですか。ちゃんとそこやっつけで書かないで、自分が好きなものをタイアップで選んで、ちゃんとそこを理解しようとして作るっていうところなんでしょうね。
順位 アーティスト名 リスナー投票コメント みの氏コメント
20位 ノエル・ギャラガー/オアシス 「ポジティブで好き。オアシスの歌詞は全て心にくるから」

ニルヴァーナをはじめとするグランジ勢力が厭世感や絶望を歌って人気を博していた時代に、『リブ・フォーエバー』や『ワンダーウォール』のような前向きな歌詞で世間を席巻した」
この人はポジティブでいいよね、本当にね。

曲もシンプルでいいけど、歌詞ももう「そういうのでいいんだよ」みたいな、そんな感じがする。
19位 浅井健一ブランキー・ジェット・シティ 「共感できないことが多いですが、感性はすごく、唯一無二の詞だと思います」

「美しいものやかっこよさ、直球な歌詞だけでなく、遊び心あふれる楽しさも最高」

「意味がわからないのに、イメージがダイレクトに伝わってくる」
浅井健一ベンジーですね、この人の詞は確かにめちゃくちゃいいよな。”メロンソーダとチリドッグ”、めっちゃ独特。

共感できないって言ってんのにこの人投票してんのおもろいよね。普通その角度で「この人の歌詞いいな」ってなること珍しいんじゃないかな。

意味が分かんないけどかっこいいっていう人多いですね(笑)面白いね。まあでもイメージがダイレクトに伝わってくるっていうのはマジであるよなー、なんかこう映像的っていうかね。ブランキーの演奏もすげぇ感覚的なところがあるから、それと相まって頭にストレートに入ってくるような、そんな感じの歌詞ですよね。
18位 小山田壮平andymori andymori時代、特に前期は、常人にはとても思いつかないような語彙と言葉遣いで、諦観漂う独特の世界が作り上げられている。ALや小山田壮平ソロの楽曲は、繊細なアンテナで拾った曖昧な情動を、曖昧なままに歌っている。それでいてごく直接的に詞を紡ぐことも多く、『クレイジークレイマー』や『SAWASDEECLAP YOUR HANDS』を聞いた時の破壊力はとてつもない。また『Life is Party』や『輝く飛行船』『Sunrise&Sunset』などの無力感、諦観、虚無感あふれる箇所を見ていると、小山田の視野の広さ、深さに怖くなるほどです」 andymori、そして今ソロでも活躍されていますね。こちらも結構熱量の高いコメントいただいています。

怖さを感じるぐらい、この人にぶっ刺さってるって事ですね。
17位 椎名林檎 「日本語の響きを知り尽くしている、聴く人にとっての人生のサントラでありたいと本人がおっしゃるように、リアルな生活描写をするために、巧みに古語や日本語を起用し、メロディーとの相性や語呂の良さ、言葉のイントネーションと歌のイントネーションが近いところなど、偏見なく聴ける聴けるところでしょうか」 まあこの人も確実に入りますよね。

椎名林檎を最初に聞いたの中学生だったんですけど、すごくセクシャルな匂いがする歌詞を書く人だなと思って、なんか恥ずかしくて聞けない時期がありましたね。最初の方アルバム名にザーメンとか入っちゃってるしさ。今はその辺りとも真正面から向き合えるようになりました。
16位 小沢健二 「人生を肯定してくれる、大変な時にこそ聞きたいアーティスト。余計なメッセージを直接示したり嘘をつかないから、ポップな曲に過ぎ去った時間の喪失感が染み込んでいて、そのバランス感覚を持った作詞家は数少ないから」

「彼の詞はどの時期のものも好きだけど、『ライフ』の時の恋愛についての詞は、ありえないほどキラキラしているから。フリッパーズ時代の『Going Zero』や『午前3時のオプ』は天才的」
オザケンですね、なるほど。この人も入るよね。

オザケンの歌詞は多幸感が詰まってていいですよね、本当に。僕も好きですね。
15位 志村正彦フジファブリック 「思わず感情的になってしまうような歌詞から、オノマトペを使った言葉遊びのような歌詞まで、振り幅がすごい。そしてどちらも最高。日本の心象風景を描く、また想起させるような歌詞が本当に素敵だと感じたから」

「『茜色の夕日』『若者のすべて』など、シンプルだが人生の断片を切り取ったような歌詞が素晴らしい。自分が体験したがことないのに、情景が浮かんでくるぐらいの郷愁感。逆説的な言葉の意図的な組み合わせの妙。このレベルまで日本語を巧みに扱ったミュージシャンは他には知りません。最高です!」
フジファブリックの志村さんここで入ってきました。

志村さんも面白いよな。まあね、やっぱ『若者のすべて』とかマジですげえもんな。あの曲はもう曲だけじゃなくて、詞の勝利でもあるよね。
14位 松任谷由実荒井由実 「時代を完全に捉えているのに、この先もずっと聴かれ続けるであろう普遍性があるから」

「情景描写力がすごすぎる。まだ子供の頃に『ひこうき雲』や『MISSLIM』の詞世界を作っていたと思うとやばい」
はい、この人絶対入るね。

しかもだって当時さ、五輪真弓とかはいたにせよ、シンガーソングライター的な存在がそもそもいない状態で音楽活動を始めて、いきなりこのパッケージですからね。いかに早熟な才能があったかっていうのが分かるよね。
13位 カネコアヤノ 「生活の一部。まさに縁(よすが)な歌詞。日常生活の美しさを再確認できる唯一無二の歌詞だから」

「自分の生活に寄り添ってくれる、心の支えになる言葉を教えてくれる」

「日常に沿った情景が浮かぶ詞から、予想外の角度から切り込んでくる詞まで幅広く、油断してゆったり聞いていたら足元すくわれてしまう魅力がある」

「抽象的な表現でヒリヒリした若さや繊細な情緒を描くのが抜群にうまい。翻訳できない、日本語でしか表せない繊細さ」
カネコアヤノのこの距離感の近さ、すごい魅力ですよね。
12位 ボブ・ディラン 「『風に吹かれて』は21歳の時に作ったそうです。私は今20歳なのですが、来年あんな歌詞が浮かぶとは思えません」

「1曲1曲が良質な短編小説のようなストーリー展開を持っているから、77年のローリングサンダーレビュー放映を見て、『ハード・レインズ・ガナ・フォール』『シェルター・フロム・ザ・ストーム』で初めて詞で涙ぐんだ。お気に入りは『シンプル・トゥイスト・オブ・フェイト』。湿っぽい南部の夜が見えてくる詞」

「彼の凄さを語るのに理由などいらない」
ここでまあ洋楽の詞のランキングだったら1位を大概取るであろうボブ・ディランが入ってきました。

ま、ちょっとねー、アメリカ文化だったり、この英語での韻みたいなところまでを、ちゃんと歩み寄って理解しようとしないと、この人はなんかとっつきづらい部分もあるので、まあまあまあまあこういうところに入ってくるのも、そんなに違和感はないですかね。

やばいよね、あれ21歳で書いてるの。

60年代中期から後期にかけてのややシュールレアリスティックな歌詞も面白いし、初期のこの比喩表現に満ちた、何でしょうね、もう本当にスケールのでかい、それこそ『ハード・レインズ・ガナ・フォール』とかもそうだと思うけど、そういう系もすごいし、この人は本当に最強ですね。
11位 中島みゆき 「ベタですが『糸』という曲で「幸せ」を「仕合せ」と表現してるのがすごいと思いました」

「どういう生き方をしたらそんな歌詞を書けるのか、という曲だらけだから」

「『時代』や『糸』は有名だが、女の情念や失恋の歌など、中島みゆきに書かせたら右に出るものはいない」
大好きです。最近ずっと『悪女』ばっか聴いてますね。この人の詞、悲しいんだよな。なんか聞いてると切なくなっちゃうんだよね。この人もなんかあんまり真正面からハマりすぎるとマジで持ってかれそうな瞬間があるというか。ま、ポジティブな歌詞ももちろんありますけどね。

うん、僕もちょっとこのイメージ強いなぁ。ポジティブな曲はもちろんいいんですけど、なんか悲しい曲はもう本当に、この人しかリーチできないぐらいの悲しさをね、秘めているというかね。
順位 アーティスト名 リスナー投票コメント みの氏コメント
10位 坂本慎太郎ゆらゆら帝国 「我々の潜在的な部分、無自覚な部分にまで迫ってくる歌詞。近すぎず遠すぎず、いい距離感。人間と神の間」

「曲もさることながら、語感の体への浸透率が高い。生理食塩水みたい」

「どういう意味なのかわからないのに、よくわからないまましっくりきてしまうところ。実態があるようでないような、絶妙な隙にすっぽりはまってしまいます」
はい大好き。俺も本当に慎太郎さん好きなんだよな。

近すぎず遠すぎず、いい距離感っていうのがね、すごい坂本慎太郎を感じるんだよなぁ。で、この感じを持ってるのマジで坂本慎太郎しかないと思うんだよね。

まさに『空洞です』って感じですね。
9位 井上陽水 「初期三部作から半世紀が経とうとしています。私がそうであったように、これからも20歳前後の若者の支えになり続けたらなと思います」

「独特な言葉のセンスで、意味がはっきりわからない歌詞ですら人を感動させるって、感性のバケモノなんだと思う」

「正統派の美しい歌詞から、シュールレアリスティックなものまで幅広く書きながら、同時に陽水にしか描けない世界があるから」

「『少年時代』のような叙情的な歌詞を書くかと思えば、『傘がない』や『ビルの最上階』のような鋭い歌詞も書く自在さ」
「北京、ベルリン、ダブリン、リベリア」というね、前代未聞の韻を踏んだ井上陽水ですけども。

はい、初期の陽水の詞からは俺は未だに勇気とか支えをね、もらってますけどね。

『少年時代』ね、風あざみね、すごいよね、はい。
8位 桑田佳祐 「恋愛、政治、国際情勢など、様々な分野に渡り、我々に勇気を与えてくれた歌詞が多いため」

「言葉のチョイス、音へのはめ方、韻踏み、俗世や時代の移り変わりに呼応するような歌手の振れ幅、全てが最高」
入ってくるよね、この人もね。

音のはめ方で言ったらさ、デタラメ英語だけじゃなくてデタラメスペイン語とかさ、なんかもう何でもできるじゃん、この人って。本当に幅広いよね。まあ吉井さんのところでもちょっと桑田さんのエロスについて言及しましたけど、やっぱなんかいやらしさはないよね。

「女呼んで揉んで抱いていい気持ち」ね、最高ですよね。全然いやらしくないんだよな。

めちゃくちゃエロい曲あるけどね。まあそれもね、全然聞けちゃうっていう。
7位 真島昌利ザ・クロマニヨンズ 「大切なことをバカにもわかるように訴えかけてくるから」

「『青空』や『終わらない歌』などのバンドでの作品は言わずもがな、特にソロ作品でのノスタルジックかつ文学性の高い歌詞は、いつ聞いても中学生の頃の感覚を思い出してしまう。また画家やミュージシャンなどの固有名詞の使い方も抜群で、「クールベ風の並木道にはミレー風の日が落ちていく」や「バディ・ホリーの幽霊が炒めるエビチャーハン」など、もう初めて聴いた時は椅子からぶったまげて転げ落ちたもんです」

「『月の爆撃機』『1000のバイオリン』など、ありふれた言葉を組み合わせて他にはない詩的な言葉を生み出すセンス。彼自身が敬愛する中原中也にも通ずる純粋さと狂気の共存。この詞があったからやってこれたと思わせる力」
マーシーですね、ザ・クロマニヨンズブルーハーツハイロウズ。まぁこの人入るよね。

言葉がめちゃくちゃストレートですけど、まぁ分かりやすい言葉でね、大切なことを教えてくれるっていう、すごい難しいことやってるって事ですよね。

このコメントはもう最大限の賛辞じゃないですか。多分しかもさ、まあ甲本ヒロトと結構票の食い合いもあるっちゃあるとは思うのね。それでこの位置ですもんね、うん。
6位 藤原基央BUMP OF CHICKEN 「インディーズからメジャーファーストまでのストーリーテイストの歌詞は、その後生まれるボカロ曲の1つのフォーマットを決定したと思うし、中期以降の誰もが共感できて気づかされるような感情や心象風景を、見事なワードセンスで切り取った歌詞は、ボカロシーンに限らず、その後の日本の音楽シーンにあまりにも絶大な影響を与え、また多くの人を救ったと思う」

「初期の歌詞が物語になっている曲が注目されがちだが、説教してくるような歌詞が藤原基央の真骨頂」
この人はね、マジで今の日本のロックシーンでの影響力で言ったら、特に歌詞の部分で言ったら相当大きいものがありますよね。野田洋次郎も米津玄師もこの人の系譜みたいなところあるしな、もちろんそれぞれオリジナリティありますけど。

このコメント面白いですね(笑)
5位 桜井和寿Mr.Children 「多くの人が共感できる問題をテーマにして、その問題を「こうすれば解決できるよ」というのではなくて、「僕だってそうなんだ」と教えてくれる。それだけで救われる」

「昔から聴いているのに未だに発見がある。この人は悲しみとどれだけ真剣に向き合ってきたんだろうと驚く」
ミスチル桜井和寿さんでした。いやーまぁ入るよなぁ。

そこですよね、その共感度の高さ。変化球が効いてる状態でのストレートめっちゃ早く見えるみたいな、そういうことですよね。そこの組み立てが上手いよな。
4位 ジョン・レノン 「極めて私的なこと、ラブソング、政治的メッセージ、哲学、どれを書かせても一級品だと思うから」

「『ヘルプ』も『イマジン』も『アイ・アム・ザ・ウォルラス』も書けるような作詞家は、ジョン以外に存在しないから」

「ありとあらゆる事象事物でも天才的言語感覚で芸術に昇華している唯一無二の存在だから」

ビートルズ時代からジョンにしかできない表現が多くあった。ソロではジョンのニュアンスが爆発!ソロの『ゴッド』は神ってる!」

ビートルズ解散後のソロ『ゴッド』『イマジン』『ラブ』などの普遍的なワードで真理を捉えるような歌詞が書けることに加え、ジョンの性格のようにシニカルでナンセンスなユーモアもあり、それでいて『愛こそはすべて』のようなストレートな歌詞が書ける柔軟さもあり、これらが矛盾、そして違和感なくジョンの世界であると聴き手に受容させられる詞の強さは、ジョンにしかないと思い、1位にしました」
はい、ジョン・レノン入ってきましたね。

そうだよね、確かに。
3位 甲本ヒロトザ・クロマニヨンズ 「ドブネズミに、写真に映らない美しさがあると言ってくれたから」 はい、まぁ入ってきますねこの人は、確実に。えー見てください、字めちゃくちゃそれぞれの欄小さいんですけど、これ全部甲本ヒロトの歌詞へのコメントです。皆さんの高い熱量、ありがとうございます。

そういうことなんだよ!頑張れってヒロトが言ってくれたんだよ!そういうことだと思う。マジでそのレベルの優しさ、寄り添い方。俺はヒロトが頑張れって言ってくれたから頑張れるんだよっていう。そんな人いなくね?そういうレベルのパワー持ってるよね、この人って。
2位 松本隆 「日本の伝統的な花鳥風月を入れ、季節感がある詞が多い。またレトリックもうまい」

「風景描写に込められた心情やメッセージ、そのバランス。控えめに行って完璧。魔法のような言葉遣い」

「はっぴぃえんどの頃から現在まで、彼の詞は唯一無二のパワーを持ち続けているから」

松田聖子に提供した曲がどれも名作!男性なのに女性の心情をよく理解している。特に『瞳はダイヤモンド』は名作中の名作で、もはや文学」

草野マサムネが幼い頃、風邪で寝込んでいた時たまたまラジオから流れてきた原田真二の『タイムトラベル』を聴いて、本当にタイムスリップできてしまったらしい。共感しかないエピソード」
はいはい、この人もすごいですからねえー、コメント死ぬほど来てますけども、ちょっと見てきますね。

これね、特に女性の人言いますよね。松本隆、女性の心情を知りすぎてて逆に怖いぐらいだみたいなね。この人しかも「風」っていうテーマがもうずっとキャリアの初期から今の今まで通底してるっていうのも、なんかすごいよね。作詞家でありながら、色んなアーティストに松本隆のワールドの一端を覗かせるっていうね、スケールのでかさもあるんだよね。
1位 草野マサムネスピッツ 「”君のおっぱいは世界一” だから」

「キャッチーさと難解さを同時に演出できる稀有な人。日本語は彼のためにある」

「詩的な言葉選びが好き。『プール』や『ラズベリー』などエロティシズムも感じられる表現も魅力的だと思う」

スピッツの歌詞はとにかく語感が良い。一見すると意味のわからないものが多いけれど、どこまでも深読みできるのが良い」

「時代を感じさせないので、どの作品を聴いてもみずみずしさが失われない点が素晴らしい」

「小学生の国語の教科書の詞のような、優しく温かみのある言葉を、時に素直に、時に毒ある怖い比喩表現で聴き手の妄想も掻き立てつつ、すんなりと美しいメロディに乗せる。恐ろしい天才だと思う」
先ほども名前が出ました草野マサムネさんでした、はい。うちのチャンネル、スピッツ強いですね。アーティストのランキングもスピッツだったもんね。はい、じゃちょっと草野さんね、ええまあ本当にね、言わずと知れた良い詞書くアーティストですけども、コメント見ていきたいと思います。

すいません、これ最初に読むコメントじゃなかったね。すごい詞だけど、それはそれで。

「日本語は彼のためにある」、いい表現の褒め方ですね。

はい、ということで第1位は草野マサムネでした。皆さん投票してくれた方ありがとうございました。
個人的に意外だったのは、清志郎が入ってなかったことですかね。清志郎入るかなと思ってたんだけど。
他、誰だろうね。レナード・コーエンとかジョニ・ミッチェルとか、入るかなと思ったんですけどね、入んなかったですね。

(みのミュージック)

ランキングに入っていなかったところで言うと、志磨遼平(ドレスコーズ)のワードセンス、ユーモアが大好き。
ゴッホ」の冒頭で出てくる ”アナーキー・イン・ザ・1K" なんて、一見ただの有名曲のパロディのようでいて、
この一言だけで主人公の置かれた状況が一瞬で聴き手に伝わってしまうという、実にテクニカルな言葉遊び。 

 

 

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