自分が考えている爆弾を把握しろ

『西野さんのVoicyを聞いて、自分にも面白いこと、人の役に立つことが何かできないか
 真剣に考え出しました。3歳と0歳の2児の母で、塾の先生をやっております。

 書いて伝えることよりも喋る方が得意なのでVoicyのチャンネル開設を考え、
 応募して、現在返事待ちです。

 日々の生活は育児・家事に追われていますが、必ず何か掴みたいです。
 目標は5年後形にすることです。頑張ります。

 西野さんイケメンじゃないけど応援します』

このコメントを読んでまず思ったのは、
自分が考えている爆弾を把握しておくことがすごく重要」だなと。

シノブさんのこのお話から、シノブさんの目的と課題を整理すると、まずVoicyを開設しようと思っていると。
もっと言うと、開設しようとしているっていう段階なので、
聞いてくれる人がいるのかどうなのかっていう判断を運営サイドにしてもらわなきゃいけない、
つまり、私は聞くに値するだけの話ができる人間ですよっていうことをアピールしなきゃいけないっていうことですね。
いずれにせよ、聞いてくれる人を増やさなきゃいけないという課題が1つありますね。

そしてもう1つのシノブさんの目的っていうのは『必ず何かを掴みたい』と。
それは何かちょっとこうボンヤリしているんですが、何かを掴みたいと。
ま、課題としてはやっぱり応援してくれる人を増やさなきゃいけない。

いずれにせよですね、人が集まってくる人にならなくちゃいけないということが割り出されると。

で、ここからその対策を考えていきたいんですけども、この対策というのが
今日のテーマである「自分が考えている爆弾を把握しろ」っていうところになるんですけれども、
今回のコメントだとね、1番最後の『西野さんイケメンじゃないけど』っていうのは
本当に1ミリもいらないじゃないですか。

私はこういうことをやっていきたいですとか、こういう立場にありますっていうことを
僕に伝えるのが目的なのであれば、西野さんイケメンじゃないですけど応援しますみたいなのって
ま、本当に一言もいらないですよね。これって結構余計な一言だと思うんですけれども。

くれぐれも言っておきますが、僕はイケメンと言って欲しいとは1ミリも思ってないですよ。
あとイケメンじゃないですけどって言われて傷つくことも1ミリもありません。
それなりにやることやってるんで、それで傷つくことはさすがにないということですね。

で、ここではですね、「そんなことをわざわざ言って何になるの?」という1点に絞って
お話したいんですけども、これっていうのはマウンティングの典型ですね。

つまり、『西野さんイケメンじゃないけど』に隠れている言葉は
<私は顔ファンではなくて、中身で人を評価する崇高な人間です>で、
この言葉を吐いた時の心理状況を読み解くと<私は序列の上位にいたい>っていうところですね。

人間が生きていく上で序列というのは必要なんですけれども、ここ抑えておいた方がいいですね、
そこには序列に興味がない人と序列に強い関心を持っている人がいると。

で、序列というものに強い関心を示している人っていうのは、あの手この手で自分が優位に立とうとする。
よくあるのはですね、『西野さんのこと前は嫌いでしたけど、最近好きになりました』っていうことを西野本人にわざわざ言っちゃう人。
あとは『別に西野さんのファンじゃないですけど、今日は西野さんのイベントに来てみました』と西野本人にわざわざ言っちゃう人。

これ別に『西野さんのファンです』でいいじゃないですか。
『今日楽しそうなんで、西野さんのイベント来てみました』でいいじゃないですか。

でもその前に絶対一言言うんですよね。
前は嫌いでしたけどとか、別にあなたのファンじゃないですけど、みたいなことをわざわざ言っちゃう。
ま、これはどうにかして対等な立場に立とうとしているということですね。

多分皆さんの周りにもいらっしゃると思います。
一旦腐すことで、対等の立場、もしくはそれ以上の立場に立とうとする人。

大阪の酒場とかで平気でいるじゃないですか。
『俺を笑わせたら本物や』とかいうおっさんがそれですね。

誰もお前に認められようとも思ってないし、お前のお笑い能力を評価してないし、
そもそもお前誰だよっていうね。
ちょっと口が悪いですね。ま、そういうことってあるじゃないですか。

当然ね、見たことも会ったこともない人、言ってしまえば全く相手にもしてなかった人から
いきなり『前は嫌いだったんですが』とか言われても、「あっそ」となるどころか、
その瞬間にその人のこと嫌いになると思うんですね。

ま、これは仕方ないですよね。
そこでムカついちゃうっていう気持ちは事実なんで。

で、ここで抑えておかなくちゃいけないことは何かと言うと、これは生き物のタイプのズレの問題であって、
序列に強い関心を示す人が悪いという結論ではないですね。

ただ、様々な人たちが同居する空間には、当然序列に興味がない人もいるので、
そこでコミュニケーションを取った時に、なんでこの人はいちいち上に立ちたがるんだろう、と思われてしまう。

つまり、序列に強い関心を示している型の人はですね、まずは
自分が序列に強い関心を示している型の人間であるっていうことを自覚しておく
っていうことは非常に重要ですね。
ここの自覚がないと、人がどんどん離れていってしまうんで。

で、そもそもの、どうして序列に強い関心を示してしまうか、もっと言うと、
どうして不快感を与えるような言葉を悪気なく、悪気の自覚なく発してしまうかというと、
原因はシンプルに次の3つですね。嫉妬、自信のなさ、プライトの高さ。

結論ですね、自他共に認める圧倒的な結果さえ出してしまえば、
自分の力を言葉で取り繕うことをしなくて済むので、つまるところ必要以上に誇示しなくて済むので
コメントをくださったシノブさんへの僕からのアドバイスは2つです。

1つ目、圧倒的な結果を出してみてください。
もしくは2つ目、序列に強い関心を示している型の人間であることを自覚してください
っていうとこですね。

多分この2つのどちらかをクリアしないと、シノブさんを取り巻く霧みたいなものは
いつまで経っても晴れないと思います。

ま、シンプルに人が離れていってしまうので。
この調子で、一言多い自分に自覚がなくやってしまうと。

基本的にはね、マウンティングを取る時は相手に「うわ、マウンティング取りに来てるな」と思われてしまっているんで、全く逆効果ですね。
言葉でマウンティングを取るっていうのはシノブさんが面白いこと、人の役に立つことをしたいという目標をお持ちだったので、
面白いこと、人の役に立つことで生きているプロからですね、少なくとも今の設定のままだと確実に無理ですとだけお伝えしておきます。

厳しく聞こえるかもしれませんが、結構愛情持って言っているつもりです。
参考にしてていただけると嬉しいです。

くれぐれもね、「あ、私一言多いんだな」っていう、しかもその一言多い根底にあるのが、
しかも自覚なく言ってしまってるその根底にあるのが、不安だとか、自信のなさとか、
プライドの高さとか、そういったものであるっていうとこですね。

で、自分がマウンティングを取ろうとしてるっていう、それ取ることで安心をしようとしてる人間である
っていう自覚を持たないと、面白いことなんか一生できないんで、まずはその自覚を持って、
本当に周りの誰も傷つけないように活動されてみると、ちょっとコトは前進すると思います。

西野亮廣

 

【西野亮廣】ビジネスマン必見!人が離れていく残念な人がやりがちなこと - YouTube