とりあえず現実逃避してやり過ごせ

かつて一世を風靡した北方謙三の人生相談における「ソープに行け」は、
「とりあえず今は現実逃避してやり過ごせ」という汎用性の高いアドバイス
斜め上の蒸留機で濃縮したコトバだったのではないかとふと思った。知らんけど。

当時は今ほど人々が趣味に生きる時代ではなかったから、
あの言葉に集約される概念が一定の説得力を持ったのかなという気がする。

今なら「そんな金あったら趣味に突っ込むわ」でそっぽを向かれそうな気がする。
趣味こそ最高の現実逃避ですもんね。

自分もこれまで膨大な時間を趣味に費やしてその時々をやり過ごしてきたと思う。
そのせいで人生の歩みがすっかりノロくなってしまったが特に後悔は無い

最近は趣味と仕事と生活がほぼ一致してるので一気に歩みが進んだ気がするけど、
これはこれでリスキー。何かあったらあっという間に全部詰むよな、と

費やした膨大な時間。
読んだことのある本を繰り返し読むのは何らかの血肉になってる気もするし、
24時間ヘッドフォンを着けてDTMに没頭したのは多少の見返りもあったが、
何十人ものRPG勇者をレベル40まで育てたアレは純粋な時間浪費だった
でも純粋だからこそ最も効果的だった

(イナダシュンスケ)