少子化(小母化・非婚化)対策としての日本版PACS

パートナーシップのあり方は一つじゃないんだよ、ということの具現化ですよね。

だってよく考えてみてください。
日本の法律婚って、一体何を契約してるんですか?
皆さん、結婚されたときに契約書って作られました?作らないですよね。

つまり何を契約しているかも分からなくて僕たちは契約してるんです。
サインしましたよね?

病めるときも、健やかなるときも、永遠に一緒だ、って言われるんですよ。
そんな契約あります?民法で。

民事契約で、永遠かつ自分が病気の時もって、どんなブラックなんですか(笑)

何も決めていないにも関わらず、何かこう倫理でふわっと決められてるものなんで、
それだったらちゃんと結婚前に、たとえば家事育児の分担こうしよっかとか、
あるいは5年毎に見直そっかとか、そういうのをちゃんと入れ込んだほうが、
本当は我々ハッピーになれるんじゃないのと。

だって人生100年時代ですよ。
たとえば30歳で結婚して、70年間一緒って、それが現実的な人もいれば、非現実的な人もいますよね。

つまり我々は、人生100年時代にあって、パートナーシップも、仕事も、学びも、多層化していくんですよね。
そうなったときに、0か1かだとちょっとしんどいんですよね。

とりあえず30歳からはちょっと助走で、様子見てとか、いろんな幅があったほうが、実は生きやすい。

ただ、今我々の道徳観で言うと、一人の人と添い遂げて、一生一緒にあるべきじゃないか、
一生一緒にいてくれや、っていう話なわけですよ。

でも、それそうかなぁ?みたいな。

だから社会の多様化や価値観の多様化、あるいは長寿化にともなって、実は我々は社会をリ・デザインしなきゃいけない。
結婚もリ・デザインしなきゃいけないんだけど、そうはなってない、というのが今の課題といえば課題。

で、それが実は少子化にダイレクトに効いてきちゃってる、とまぁそういう話なんですよ。

駒崎弘樹