朽ちてゆく肉体は所詮、経験を得るための道具にすぎない。

お金のことをつきつめるとおのずと、
早く死ぬ前提で激務と派手な浪費の不摂生な生活に励むか、
長生きして金の効力を愉しむべく健康志向になるか、
どちらか選ばざるをえない。

お金なんか使っちゃって、幸せな体験に変換したほうがいいよ。
使わない金は、死んでるのと同じなんだし。

最近の自分には、人からの信頼が足りない。
使うべき局面で金を使えない人間は、死ぬ。
そこには人間の精神の死も含まれるだろう。

株を買うことは、なにかを買ったりすることのうちに入らない。
死んだりしないために、今すべきお金の使い方があるんじゃないか。

若い時はタダでもっていたものを維持するための努力は、結局のところ虚しい。
そんなことにとらわれていたら、若かった頃の自分に勝てないままの、余生になってしまう。

紫外線を避けること以上の究極のアンチエイジングは、今を生きるということだ。
今を未来に先送りしても、その未来でなにもやらないのなら、意味がない。

朽ちてゆく肉体は所詮、経験を得るための道具にすぎない。
その年齢でしかできない経験をひとつひとつ拾っていきながら、朽ちてゆきたい。

(Phantom)

Phantom ファントム (文春文庫)