禁止だらけのニッポン

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左側が世界中の多くの人々が従っているジェネラルルールです。

みんな自己主張するところから始まるんですけど、他の人と違うと思ってるんですよ。
自分だけの大事なことがある。

で、主張するんですけど、相手も同様に主張していると。
このままだとトラブルになりますね。

そこで「●●」があるので大丈夫というふうに世界中ではルールができている。
時間がないのでアメリカの話だけをすれば、ここに入るのは「法律」です。

法律があるので大丈夫。みんな法律に従う。
逆に言うと、法律以外には従わなくていい。
これで社会が設計されている。

日本人は法律に従うという考え方がない。

周りに従ったりルールに従ったりなにかに従ったりしていればいいという考え方で、
法律に従わないんです。

みんなが勝手にルールを作る。
そうするとルールや禁止だらけになってしまう。

変な国ですよ。
こんな国は世界中でたぶん日本しかない。

自分がコミットしてる集団のルールには従う。
暗黙だったり明示的だったり禁止だったりしますけど、国全体の法律とどういう関係にあるのかはよくわからない。

校則は典型的です。
自分が所属する集団のルールに従う。
それが法律かどうかは知りませんけど、もしそれに従わないと学校にいられなくなる。

どんな社会もルールがあるから、自分勝手なことはできないんですよ。
日本人だってそれはそうです。むしろルールは守るんです。

(日本人の場合) そのルールが法律じゃないんです。制度じゃないんです。
自分がコミットしてみんなで相談したものでないとダメなんです。

これは日本の麗しい伝統だと言いたい人もいるかもしれないけど、私はそうは思わない。
ガラパゴスのようなレア人種・レア文化なわけだから、これが世界とどういうふうに折り合うかという問題です。

 (橋爪大三郎