そもそもサラリーマンはすべて負け組だ

正直、追い出し部屋の人たちが何故悩んでいるかわからない。
仕事はなく、給料は減らされるのだとしても、いくらかは貰える。
それは普段「仕事をしたくない」と愚痴をこぼしながら仕事をサボっている、
多くのサラリーマンの理想の姿ではないだろうか。

会社が仕事をしなくていいと決めたのだから、ネットを見るなり、本を読むなり、
好きに過ごせばいい。私ならプラモデルを持って行って作るかもしれない。
仕事をしなくても誰も怒る人がいないというのは、本当にとても幸せなことだ。

中には、会社を相手に断固戦うと息巻いている追い出し部屋の住人もいるようだが、
それこそ無駄な努力である。

そもそもサラリーマンはすべて負け組だ。
ただし、会社にしがみついても、心まで売り渡してはいけない。
会社の将来など考える必要もないし、アフター5に付き合って飲みに行く必要もない。
あらかじめ決められた就業時間内に、与えられた仕事を最低限こなす。
責任が重い仕事は断る。
これが、ミドルエイジ的「脱・社畜」なのだ。

そもそも日本人は真面目すぎる。
良き社会人として会社に貢献しようとしたり、仕事に生きがいを求めているから、それを奪われた時に立ち直れなくなるのだ。
会社に飼われるようになったらお終いであり、自己実現など所詮社員を従属させたい企業が考え出した、新たな餌のようなものだ。
今までは給料や肩書を餌にして走らせてきたが、それができなくなったから自己実現というモヤッとした材料を見つけてきたのである。

所詮ホワイトカラーは大した仕事などしていないのだ。
毎日頭を下げて物を売り込む。
一日中パソコンに向かい、取引先とメールでやり取りする。
企画を立てれば却下され、クレーム電話で客に怒鳴られる。
このような仕事に生きがいを感じるほうが難しい。

そもそも資本主義社会においては、資本家になるのが最終目的であり、社内で出世してもあまり意味がない。
そもそもサラリーマンはすべて負け組なのだから。
出世争いなど、会社に完全に飼われている人たちのやることなのだよなぁ。
自分はそれに巻き込まれず、マイペースで過ごすのが一番である。

成毛眞