周りの評価がついてきたら、生きがいになる

僕、今いろんな仕事やらせてもらってますけど、どれも自分でやりたいと思って始めてないんですよ。

もともと僕、ただのバンドマンです。
自分の曲、自分の書いた歌詞しか歌わなかったし。
で、デビューして、ダメでした。売れなかった。辛かった。

自分の良さとか、自分の魅力って、自分以外の人のほうがわかってくれてることもあるんですよね。

最初は本当にバンドにこだわってたし、バンド以外の活動をしたくないって思ってたんですよ。
だからソロなんて考えたこともなかったけど、当時所属していたレーベルだったりとか、
マネージャーとかから「君はソロの方が向いてるね」って言われて。

自分で気づかなかったけど、そういう自分の中の素養みたいなものを他人に見出してもらう。
そういう物事の連続が今の僕を作ってるんですよね。

「やりたいことがなかなか見つけられません」みたいな人がいたりするじゃないですか。
いやいやいや、まず「お前これやっとけ」って言われたことを、120%もしくは200%やってみようよ。

これは誰にも譲らないと。
あいつにやらせたら他のやつは太刀打ちできないと思わせるものにまずしてみなさいよ。

それができたら、たぶん別の次元の自分が見えてくるんですよ。
その段階で、「だったら俺これもできるかもな」って別のことに行ってもいいし、
その時になったら周りの人が当然ですけど「これできてるんだったら、これもやっといてよ」ってなるさ。

自分が「つまんないな」「これやってても意味感じない」と思っても、
周りの評価がついてきちゃったら、生きがいになるから。

たとえば僕、T.M.Revolutionで出ました。
あんな衣装着て、あんな曲を歌って。

最初は、10代から一緒にやってたバンド仲間からは
「お前も魂売ったな」って言われましたよ。
「売れれば何でも良いのかよ」って。

それは僕だってすごい考えたし悩んだよ。

だけど、周りの評価がついてきたら、
「いや、これはこれでアリだよ」って自分で思えるようになるさ。

「やってても全然つまんないし、やりがい感じねぇ」って思ってても、
「おい、こないだのやつ見たけどスゲェなあれ!マジかっこいいわ」
って言われたらさ、「あ、まぁ…そうかな…」ってなるじゃん。
それの連続だから。

何難しいこと考えてんのよ。
それ言わせるまでやってみろよ。

西川貴教