小さい頃から恐竜や虫が好きで、進化論の本などをよく読んでいたこともあり
「多様性ではないでしょうか」と答えたところ、孫社長が「そうなんだよ!」と立ち上がり、
電話を取って「今すぐ人事部長を呼んでくれ」と…。その1カ月後には、ソフトバンクの社員として社長の鞄持ちをしていました。
それが、1998年のことです。
後に孫社長から「ベンチャー企業の中途採用のコツって知ってるか?」と聞かれました。
その答えは「考えさせないこと」だと。
それを聞いて「ああ、私は罠にはまったんだな」と思いました(笑)当社もこの言葉の通り、面接は1回だけで採用を決めています。
毎晩頭を抱えながら遅くまで仕事をしていたある日。
孫社長が突然 「三木、どうやったら水の上を歩けると思うか?」 と言ってきたんです。この答えに、孫正義流の戦い方が詰まっていました。
「右足が沈む前に左足を出して、左足が沈む前に右足を出せばいいんだ」 と。孫社長はまさに経営でそれを実践していたんです。
競争の激しいこの時代を生き抜くには、相手が動きだす前に圧倒的な優位に立っておく。
その常識の枠を桁外れに超えたスピード感が孫社長の戦い方だということを、
この時に思い知りました。
(三木 雄信)