孫正義「会社が300年続くにはどうしたらいいと思う?」

ソフトバンクの本社で初めて孫社長にお会いした時、
会社が300年続くにはどうしたらいいと思うか?」 と聞かれました。

小さい頃から恐竜や虫が好きで、進化論の本などをよく読んでいたこともあり
「多様性ではないでしょうか」と答えたところ、孫社長が「そうなんだよ!」と立ち上がり、
電話を取って「今すぐ人事部長を呼んでくれ」と…。

その1カ月後には、ソフトバンクの社員として社長の鞄持ちをしていました。
それが、1998年のことです。

後に孫社長から「ベンチャー企業中途採用のコツって知ってるか?」と聞かれました。

その答えは「考えさせないこと」だと。
それを聞いて「ああ、私は罠にはまったんだな」と思いました(笑)

当社もこの言葉の通り、面接は1回だけで採用を決めています。

毎晩頭を抱えながら遅くまで仕事をしていたある日。
孫社長が突然 「三木、どうやったら水の上を歩けると思うか?」 と言ってきたんです。

この答えに、孫正義流の戦い方が詰まっていました。
「右足が沈む前に左足を出して、左足が沈む前に右足を出せばいいんだ」 と。

孫社長はまさに経営でそれを実践していたんです。

競争の激しいこの時代を生き抜くには、相手が動きだす前に圧倒的な優位に立っておく。

その常識の枠を桁外れに超えたスピード感孫社長の戦い方だということを、
この時に思い知りました。

結果的に、ソフトバンクADSL事業でトップの顧客数を獲得。
国内最大手としての地位を確立することができたのです。

(三木 雄信)