この国債の話で言うと、私は多分専門家だよな。
財務省の時にもそうだけど国債課の課長補佐ってのしてたから、予算要求もしてたからよく知ってる。
中身知ってますよ。予算で、利払費が膨らんでるっていう風なことを言うんだけど、どうやって計算するかっていうのは、
国債残高ってのがあってね、利払費を計算する時に積算金利ってのがあって、
それで残高に積算金利かけて計算してるだけなんだけどね。
積算金利って、来年度かな、来年度は確か1.5くらいなんだよな。
積算金利1.5を、全部の国際残高に掛け算すると大体の利払費が出てくるんでね、
それで計算してるだけなんだけど、それで多分8.5兆円くらいという形で計算してんだと思うんだけどね、
それで他にもちょこっといろんな込み込みでちょっと膨らんでるとかいう言い方を多分して、
この利払いだけだとそんなに膨らんでないと思うけど、国債費ってのは膨らんでるっていうことだと思いますよ。
でもね、細かい話を先にすると、その積算金利1.5って言うんだけど、今の国債金利って、長期国債ですら1.5にはなってないんだよ。
今0.7、0.7でも高くなってんだけど、そこまでしか行ってないし、それとあとイールドカーブコントロールのもとでは1までしか行かないから、
1.5なんか絶対行かないんだよ。あと他の、長期国債はこうだし、それだともうちょっと年限の低い金利、これはもうほとんどゼロ金利だから。
全部平均すると全然こんなに大きくないから、積算金利を高めてるだけでね、積算金利を高めて、
それでねちょっと膨らましてるってだけなんですよ。
なんで膨らましてるかって言うと、絶対にこれは余るんだよ、間違いなく。
余るので、補正予算の時に財源にするために、わざとで積算金利を高めにしておいて余らせているっていう、
そういうテクニックをやってるだけなんですよ。(じゃあ実際、8兆円だと思いましたけど、6兆円でしたみたいなことですか?)
そうそう、大体そんなもの。だからこれは、そういうメカニズムを知らないから、
膨らんでますねと言ったら、全然大した話じゃないんだけどね。実際は行かない。
だから予算上のそういうテクニックでわざと膨らましてる、って話がまず1個。
これはちょっとマニアックだからね、ほとんどの人が知らないよ。
あともう一個、ちょっとマニアックというかね、国債の金利を見るときに、これは借金で利払費が~って言うんだけど、
実は国債は誰が持ってるかっていうのを考えると、実は半分以上は日本銀行なんだよね。だから日本銀行に利払費を払うんだけど、日本銀行はカネを刷って国債持ってるから、
実はその払った国債費は、利払費は全部すぐ納付金って形で政府に戻ってくる。
そういうのを込み込みで考えると、こんなねバランスシートの右側の借金だけの議論しちゃダメで、
これは統合政府って言うんだけど、ちゃんとしたバランスシートで計算すると、国債は右側に1000何百兆あるんだけど、
左側の方に日銀の国債なんかが600兆くらいあるから、そうすると考えてみると国債の方の利払いするんだけど、
資産としての国債っていうのも政府は持ってるから、そうすると日銀納付金って形で政府に戻ってくるから、
こんなの大した話じゃないんだよ。片っぽで(負債が)膨らむけど、こっちで納付金も膨らむからっていうことですよね。
(マスコミは)ホントつまらん話するなー。知らないからでしょうこんなの。
私が今言ったのを知ってる人はほとんどいないよ。積算金利を高めに見積もってるってことを知らないしね、
日本銀行に利払費を払ってんだけど、実は納付金の形で戻ってくるなんて知らないよ。
だからこの予算を見るときに、実は安倍さんにも言ったんだけど、
高橋さんの話ってあれだよね、わかんないよって最初言ってたの。1年目じゃわかんないよと。2年目やった時にはね、日銀納付金っていうのがね、歳入の方にあるからねその数字見てくれと言ったんだよ。
そしたらね日銀納付金がすっごく増えてんだ、高橋さん言った通りだよって言ってたよ。
2年目はわかったって言ってた。1年目はわけ分からなくて、2年目はそれを聞いたらね、財務省は嫌な顔してたって言ってたよ。
だからこういうの考えると、膨らんでも大したことないんじゃないですね。
そもそもこの膨らみって言ってるのは、元々伸びないのを膨らましてるのもあるし、
これで仮によしんば膨らんだところで、別に行って来いになる話も多いから、
そういうのをわかってないで喋ってるだけなんだよ。(ただ単に、問題だと言いたいっていうことですか?)
おそらく、テレビ局のスタッフもわかってない。
わかってないからそういう原稿を書いてそのまま読んでるだけだと。反論があるんなら言ってきたら?
一番いいのは私を番組に出すこと。全部番組は壊れるけどね(笑)番組壊れるから専門家呼ばないと思うけどさ。
こんなこと言ってんだもん、笑っちゃうといえば笑っちゃうんだけどね。
今や、まだそんなことを言ってますか?っていう話。
(国際の残高自体は増えてっても、別に返さなくてもいいってことなんですか?)
返さなくていいって言うと、実は全部借り換えって形で返すんだけどね。
ある程度経済成長がある時は国債が必要だっていう意味では、ある程度のところまでは大丈夫。全くその経済成長に比べてね、国政残高がものすごく大きければ問題にはなります。
だからね、そこがね、よくなんちゃらなんとか理論(※現代貨幣理論/MMT)とか、
いくらでも大丈夫って言ってたら違うんだよ。それはね、ある程度の限度っていうのは要するにある。
積み上がりすぎちゃうとやっぱり問題だよね。ポイントはやっぱり、その時には日本の、政府のバランスシート見て、資産と国債の比がポイントになる。
国債の比だけ見ていくらでもいいっていうのは間違いです。
あれは理論じゃないんですよ、あれは嘘。だからそういう意味では、国債残高いくらでも高くていいですよとはならない。
ある程度資産とのバランスで見ていかなきゃいけない、ということです。
(資産の何パーセントぐらいとかっていうのはあるんですか?)
それは資産を全部見た時に、あと簿外のいろんな資産もあるんだけどね、
そういう風に見た時に、ある程度バランスしてないとダメ。そういう意味では国債残高だけ野放図にいくらでも返さなくていいですからっていうロジックは実は間違いです。
刷れるんだから大丈夫みたいなのは間違い。それは決定的に間違い。やっぱりバランスシートの右側しか見てないって意味ではダメだ。
それはそれでやっぱり同じなんだよ、その人達も右側の負債だけしか見てないって意味では間違いなく。私はいつも必ずシートの資産とのバランスでしか見ない。バランスで見てるわけ。
だから、もういくらでも刷れますとかいうのも間違いです。
(なんでみんな左側を見ないんでしょう?)
バランスシートを読めないだけでしょ。
あと、人間の頭の中に2つ入りにくいってだけでしょ。
キャパの問題じゃないの。
(高橋洋一)