「モテ」は市場的

都会に出てくるまでは、「モテ」云々っていう概念がまったく違ってたんですよ。
高校までの僕の興味は、自分が好意を抱いた相手と付き合えるかどうかだけだったんです。

東京に出てきてビックリしたことは、「モテ」っていうのは、すごく市場的な話なんですよ。

つまり、ある合コンやパーティーに行った時に、誰が一番多くから声をかけられるかとか、
どれだけ多くの人から、不特定多数から人気を獲得できるかっていう話になってて。

おい、こいつらこうやって日常生活の中でも自分にいくらの値札が付くかみたいなことを
考えて生きてるんだって思って、最初はなんてさもしい奴らなんだって思ってたんですよ!

いつの間にか自分も、やっぱりそういう値札を貼ってもらえなきゃいけないんじゃないか?
って気がしてくるわけですよね。

一人でいいから、自分が好きになった何かと一緒になれるかを考えればいいはずなんだけど、
ダメだね、市場ってのは「モテ」っていうマーケットを作ってるから。

モテるためにはエステ行きましょう。モテるためにはこれを買ってあげましょう。
お金が動くわけだから、都会にいる限りはその市場性からは逃れられないんだよ。

本当のね、幸せはやってこない!

(若新雄純)