老害

私は若い頃からね、たくさんの老害を見てきたんですよ。

やはり、ある程度の年齢になるまで働くことは大事ですけれども、
一方で、年齢とともにいろんな能力が落ちてくるっていうことも認めなきゃいけないんですよね。

老害って、たぶん自分でわからないんですよね、自分の能力が落ちてるって。
だから老害になっちゃう。
そういう人を経済界なんかでたくさん見てきたわけですよ。

だからある程度の年齢で、私もその年齢に近づいてるんだと思いますけども、
組織のトップとかそういうのはもう辞めるべきだと個人的には思ってます。

ただし、自分は何かやりたいことがあるわけですよ、小説を書きたいとかね。
私だったら、政策分析をやりたいとか。
そういう一人でやる仕事はずーっと続けるべきだと思うし、休み休みでもいいから続けるべきだと思う。

仕事ってどこかに雇われるっていうのがイメージとしてまず来るわけで、
それで起業するってのが来るわけですけども、
働くっていうのはものすごく多様だっていう風に考えて、
ライフステージで自分の働き方を変えていくことが必要だと思うんですよね。

私はだから、ある時点でいわゆる組織のトップみたいなのは辞めますわ。
これはもうやっぱり、自分はたくさんの老害を見てきたので。

竹中平蔵