今年もあと数日ですよね。
僕はこの時期が実はあんまり好きではなかったりします。というのも、実は皆さんが思っている以上に、この時期、患者さんに「しんどくなる人」が多いんですよ。
世間が年の瀬って言ってせわしなく動き出して、なんとなく誰かと過ごしてる人とかが増えて、
みんな新年をめでたく迎えなきゃいけないと。
そんな雰囲気に押しつぶされそうになっちゃう人が増えてきます。気持ちはとっても良くわかりますよね。
なんだか幸せな顔をして、「世間の流れについてってます」っていうような顔をしてないと、
同調圧力につぶされそうになってしまうと。
だけど、ここだけの話ね、実は何の準備もしなくても、別に幸せなふりをしなくても、
みんなに平等に一月一日ってやって来ます。そして、怯えながら迎えた一月一日、いざ来てみたら簡単ですよ。
またそこから、次の年までのカウントダウンが始まるだけです。
なんにも変わらないですよね。なんにも変わらない日常を過ごしてたって、新年は迎えられるわけです。
去年だ今年だとかね、つまらない区切りに区切られる必要なんて無いわけです。
あなた自身の人生は、生まれたときから死ぬまでひと続きで、
どこに段落を作るかなんて、あなた次第なわけですよ。誰かが勝手に作った一月一日だとかね、そういう枠組みに囚われて、
しんどくなる必要、あるわけないじゃないですか。
(藤野智哉@精神科医)