財務省というのはご存知のとおり、自分たちの出世のためだけに生きてる人たちなんです。
別にこれはね、普通だよ。
自分が出世することによって、自分の家族が幸せになるということなんです。
財務省の主計官だったかな、高知で講演して、
「南海トラフ巨大地震が起きるから財政余力の確保が必要だ」
とかいう、とんでもない発言したじゃないですか。あれって私たちからは異常に思えるかもしれないんだけども、意外と普通にあることなんですよね。
何人死ぬんですかって話でしょ、我々からしてみれば。
でも彼らとしては、ものすごく真面目に言ってると思う。
まず、財政法4条という法律があるでしょ、要は特例公債を発行しちゃいけないと。
だから毎回、特例公債法を通してんだけど。さらには、財務省設置法があるでしょ?
第3条で「健全な財政の確保」っていうのが入ってますよ。
財務省の目的だよ?*1さらにプライマリーバランス、閣議決定してるでしょ?
25年度に黒字化できると。まぁできっこないんだけど。
だから、彼らとしては、表向きはですよ、
「私たちは法律に従ってるだけでございます。
だって法律に従わないわけにいかないじゃないですか。
官僚ですよ、私は」
という形で、国民を殺していくような、そういう緊縮財政を続けているわけなんです。これって異常事態に思えるかもしれないんだけど、意外とそんなことないですよ。
一番有名なのがあれですよ、アイヒマンですね。
ナチスの政権で、ユダヤ人を最も効率的に捕まえて、最も効率的にアウシュビッツに送る
っていうような計画を担当してた責任者ですね。膨大な方々がアイヒマンの作業、事務作業ですね、あるいは事業と言ってもいいや、
それによってアウシュビッツに送られたんですよ。
で、ナチスが敗れまして、アイヒマンは逃亡したんですね。
確かアルゼンチンがどっかに隠れてたんですけど、イスラエル政府がですね、
「アイヒマンは絶対許さん」ってことで、ずっとモサド(イスラエル諜報特務庁)が探し回ってたわけですよ。で、ついに捕まえたの。
それでエルサレムに連れてきて、裁判ということになったんですけど、
これ一体いかなる法律に違反したんでしょう?アイヒマンって。
(何もしてない・・・)
だって法律がそう定めたから、そのとおり官僚さんとしてやったわけなんですよ。
怖いでしょ?怖いですよね。
何百万も死んだかもしれないですよ、下手したら。アイヒマン一人のために。実際、彼は裁判で「私は別に、法律に従ってただけですよ」と。
「法律に従いますよ、官僚なんですから」って言ったんです。
「私がもしやらなかったとしたら、別の人間がその事業をやるだけですよ」と言ったんですよね。これがね、もっともなんですよ。
人間の恐ろしいところだなと。
だからアイヒマンはね、確かに悪意はなかったと思う。官僚だから。
言われたことだけ、しかも法律で決まってるから、そのとおりやってったんですよ。結果膨大な方々が亡くなったんだけど、彼としては別に良心の呵責もないでしょ。
「そんなこと言われたって、だって官僚だよ僕は」と。こういう人たちは、存在し得るんですよ。
財務官僚はその典型だなと。
政治とか、歴史とか、経済もそうだけど、知っていくと、
人間がどれだけ愚かしくて、残酷なのかってのが分かっていくし、
しかもそれを変えようとしても、なかなかままならない。ナチスも結局、独ソ戦に突入して、それでソ連の赤軍に押し込まれるまでは、
ずっと事業として、ユダヤ人の最終処理を続けていたわけなんですよ。
多分ね、ドイツ人の多くはそういうこと知ったら、間違ってるって言うと思いますよ。
間違ってるだろうと思うと思うんだよね。
でも動かせないんですよね、結局戦争で負けるまで動かなかった。そう考えた時に、この日本の財務省の徹底的な緊縮財政主義というのは、
俺ほんと「戦争でもないと変わらないのかな」っていう絶望心があるわけなんですよね。
(その法律は、いつ誰が作った?)
そういう意味だと多分、日本の今の衰退の始まりはGHQでしょ。
だって財政法4条って、日本国憲法を裏書するために、要は国債発行できなくしてやれという、
そういう文面になってんだけど、それ絶対アメリカですもん、作らしたの。要は、日本に散々苦しめられたから、「絶対こいつら戦争できないようにしてやろう、
国債発行できないようにすればいいや」みたいな。
戦争できなくなるから、本当に。実際は特例法を通してやるんだろうけども。その流れでしょうね。
そこに財務省の欲望、権力の欲望、つまり予算を執行する、主計官なんか特にそうですよ、そういう仕事。
そういう人たちは絶大な権力を持つわけです。今、官官接待禁止だけども、裏で何やってるかわかんないけど、とにかく桁が違う、
数百億円とか数千億円っていう予算をもらえるかどうかっていうのが、
その財務官僚1人の判断によって決まる。どうですか?この権力たるや。
凄まじいでしょ?その権力を維持するためにはどうしたらいいですか?
それは「緊縮財政で財政均衡する」じゃないとダメだってことなんです。
ということで、法律であったり、あるいは出世の構造で、主計官みたいに残酷なこと
言わなくちゃいけないような、そういう省庁になってしまった。もともとはまあGHQなんだけど、その後には財務省の権力に対する欲求ですよね、あるいは権力維持だね。
そういうものが絡み合って、それでアイヒマンみたいな連中がですね、今財務省の省内にいるんだろうなぁと思うんです。で、彼らに悪意はないでしょう。
「いや、そんなこと言われても、上司に言われてるからやってるだけですが」みたいなね。それで、構造的にその緊縮財政に成功した官僚が階段登っていって、最後事務次官ですよと。
事務次官やめた後も権力持ち続けてですね、で今一番権力持ってるのが多分斎藤次郎。
(でもそれが良い道だって思われちゃいますもんね、その象徴だから)
だからそこを突破するためには政治っていうものが必要で、つまり政治家ですよね。
そんなことわかってるから、政治家には逆らわないでしょ、財務官僚も最後は。だって小渕内閣は財政構造改革法を凍結したもん。
小渕総理大臣の判断で。
めちゃくちゃな緊縮財政の法律だったから。「はい、これ凍結」ってやったら、財務官僚が「分かりました」と。
大蔵省か、当時は。
(その後、何もなかったんですか?)
えっと・・・早死にしちゃった、小渕さん。
怖いこと言わないでよ(笑)あとは麻生太郎だよね、まともだった頃の麻生太郎。
「プライマリーバランス黒字化目標を凍結」ってやった。
リーマンショック起きたから。そうしたらもうメディアから叩かれまくりました、彼は。
そして黒く染まっていくことになるのでした。総選挙で負けたでしょ?
すごい負け方したからね、民主党に対して。
で、民主党が政権奪りましたと。
でまぁ(自民党に)政権交代して(麻生太郎が)財務大臣になりましたと。
その時から多分グレーだったんだろうね、麻生太郎は。で多分、これ私の予想ね、予想だけど、多分自分の後継とか考える歳でしょ?
後継が例えば自分の息子だったと。例えばだよ?
「俺がここで財務省に逆らっても、息子のためにならんよなぁ・・・」というような。それ考えたら、財務省の官僚が出世のためにこんなことやってるのもわかるでしょ?
結局、人間ってそれぐらいちっぽけな存在なんですよ。
泉さんが言ってましたけど、まず「可処分所得減ってます。実質賃金下がってます」よと。
その状況で、輸入物価上昇の影響で物価だけが上がる、だから実質賃金が更に下がるんだけど。
これ最悪じゃないですか。そういう積もり積もったマグマが、日本国民の中でどんどんどんどん醸成されていって
多分ね、維新とかはこの今みんなが苦しいというルサンチマンをうまく活用して
それで権力握ろうとするんじゃないかなっていう。これが一番危ないシナリオだと思う。
財務省よりも危険だと思う。
本来、諸官庁よりも上に政治家がいるんですけどね、国会ですよ、
「最高権力が国会」って書いてあるんだから、憲法に。そこが維新的な連中に支配される方が、今の財務省支配よりひどくなると思う。
今のがマシだってことになりかねない。その道もありますからね。で、嫌な話だけど、自民党の中では自民党の中で、維新的な人たちも多いわけですよ。
だから次の総選挙で、多分ね、インボイスや24年問題で大混乱になるから、
相当自民党は勝てないと思いますね。その時に連立だってなった時に、自民党の中のね、河野太郎であったりある菅義偉たちが
確実に維新との連立政権という方向に行くと思う。
今回のインボイス制度の導入反対の署名、「STOP!インボイス」とかやってるやつですね、
私がこれを撮ってる時点で52万とか言ってるんですよね。すごいでしょこれは。配信されてる時はもう10月入ってるでしょうけど、このままインボイスが進むとですね、
もう大混乱になって、少なくともこの52万人は絶対自民党に投票しないですよ。
下手したら自民党側にいたのが向こう側にひっくり返っちゃう。
小選挙区って1万票とか動いたら軽く結果ひっくり返りますからね。
これは相当なプレッシャーになると思います、自民党の国会議員たちに対して。
特に、前回の選挙で僅差で勝ち進んだ人とか、比例復活した人達ってのはですね、
まず勝てなくなるんじゃないかなと。創価学会というか公明党があんな力持ってるのは、その小選挙区で一定の票を動かせるからです。
1万数千票って言われてます。
それが自民党側に行くか反対側に行くかだけで結果がひっくり返っちゃうから、あんなに権力持てるんですよ。
ちなみに民主制ってこんなもんだからね、多数派取った方が勝ちなんです。
その多数派を取るかどうかを左右できるような票は、たとえ1票であってもそれがパワー持つってことですね。
実際はそんな小さい数字だとダメなんだけど、それを今から自民党の国会議員たちは経験することになるんでしょうね。だって免税事業者とか、フリーランスの人たちとか、あるいは農家も含めてね、そういう小規模事業者が
自民党に投票する可能性は相当に下がりますよこれ。そうするとそれだけで結果がひっくり返っちゃう可能性がある。
ということで自民党の議席が下がりました、となるとじゃあ「維新と連立を」。
多分、維新が勝つ、その時は。
要は、自民党的な保守層ってのがあるわけ。一応一定数いるわけです。
相当いるわけだけど、自民党もうダメだこいつらと思った時に、彼らは例えば立憲とか共産には行かないってことです。
彼ら(立憲や共産)は保守っぽい感じまったく無いから、逆だからあの人たちは。そうすると維新ですよね。
それでなんか「身を切る改革を!」とかですね、「最終改革を!」とか、それってやっぱ受けがまだいいよね。
実際に、その身を切る聖域なき財政改革とかやられちゃうと、政府が金使わなくなるってことだから
みんなの所得減っちゃうんだけど、それがいいと思ってる国民は相当に多いですよ。
自民党の党員とか含めて。で、かつ保守的ですと。靖国神社に毎年参拝に行くような方々ね。
彼らが選ぶ先ってのは、まあ維新だけになっちゃうのかな。そうすると、自民党内の維新的な連中とガチッとこう組んで、というような動きに
なっちゃうんじゃねえかなぁと思ってるんで、これ止めなくちゃいけないなと。
インボイス制度の導入反対って、確かに見た目左の方々が多かったんだけど、左右関係ないんだからね。
そういうような話をして、で自民党は嫌ですよ、維新も嫌でしょと。
じゃあ「そうじゃなような選択をしなくちゃいけない」ような立場に我々は追い込まれるわけ。
いわゆる自民党的な保守の人たちね、俺は違うけど。
その時にその決断できるかですよね。なんでその決断をしなくちゃいけないか。
マシだからですね。
自民党が負けるのは、もう負けだと思ってるけど、負けるべきだけど、
そこで維新が勝つのも論外だから、だから例えばまあそのいわゆる
そうじゃない野党の方々にね、投票するっていうことを
ちゃんとやっていかなくちゃいけないんだろうなと。まあろくでもない連中ばっかりですよ。
そんなこと言ったら与党もそうだけど。でもそれでもまだマシだというような結論、結果を導くために投票するっていうのが
多分、次の総選挙になると思う。
こんなもんですよ、こんなもんです。
「最悪よりは悪のほうがマシだ」ぐらいですよね。
そういうような総選挙になるんじゃないかなと。もしかしたら自民党の連中が心を入れ替えて、インボイスやめますとか、
そういう話になるかもしれないんだけど、経済対策やると言ってるし。ただ多分、国民みんなの可処分所得増やしますではなくて、業界というか
企業に補助金つけるっていうのが関の山じゃないかなと思います。だからそういう経済対策も含めて、どっちが最悪なのかっていうのを、
ぜひ皆さんで判断してほしいなと思います。
とりあえず、今の財務省は「最悪中の最悪」でございます。
(三橋貴明)