「あれっ!こんなところを間違えてるよ」―。
パソコン画面上で何回も確認して間違いがなかったのに、紙に印刷すると原稿のミスが...。
こんな経験はだれにでもあるが、その理由がよく分からない。画面よりも紙のほうが、間違いに気がつきやすい。
これは今まで何となく経験してきた真理だ。
紙に印刷して読むとき、すなわち「反射光」で文字を読む際には、人間の脳は「分析モード」に切り替わる。
目に入る情報を一つひとつ集中してチェックできるため、間違いを発見しやすくなるのだ。
これに対し、画面から発せられる「透過光」を見る際、脳は「パターン認識モード」になる。
送られてくる映像情報などをそのまま受け止めるため、脳は細かい部分を多少無視しながら、全体を把握しようとする。
細部に注意をあまり向けられないので、間違いがあっても見逃してしまう確率が高くなる。
(河内 康高)