衰退のマネジメント

そこは僕はもう誇りを持って規制をするということだと思います。

それこそみんな規制が悪いことだと思っていて、規制緩和が良いことだと思っている。
でもそれは上り坂の時の論理なんです。

もう1つの話として、本当に人間がルール無しで喧嘩したら、それは見ていて全然面白くない。
だってそんなの最初に目潰しした奴の勝ちか、最初に金的した奴の勝ちか、そういうことになる。

ちゃんとロープを張って、拳でしかやっちゃいけませんよってルールを決めるからボクシングになって、
人はちゃんと見られるし、ちゃんと戦いになる。

だから、規制っていうのは恣意的にやるんじゃなくて、ちゃんと合理的な規則があって、
その中でやってこそ、はじめて秩序だった競争ができるんです。

実は、規制がないところで競争は起こらないですよ。
それは強い者が圧倒的に他者を踏み潰して終わるだけ。

むしろきちんとした規制があった上での方が、弱者も強者もそれぞれの戦略で戦えるんです。
なので、そういう規制悪者論っていうのがそもそも間違い。

さらに、衰退社会のマネジメントにおいては、全然新しいテックとかを否定しないんですよ、
新しいテックはどんどん入れるんだけど、その前提となる一定のルールの中でやっていかないと、
本当にネガティブの押し付け合い、損の押し付け合いで、「俺だけは得したい。ネガティブは嫌だ」
という状態で、衰退社会の適正な競争が起こらない。

それこそ衰退社会におけるマネジメントって、公的なマネジメントも大変だけど、
もっと大変なのは衰退社会における適正な競争のマネジメントです。

それは相当工夫したルールを作って、完璧なものは作れないから作っては直しをし続ける。
そこをなんか、ルールを無くせば上手くいくみたいなのは、僕は全然正しくないと思う。

米山隆一