完璧主義者って「減点法式」なので、「ノーミスでできたかどうか」だけで
仕事のデキを判断していて。
仕事をしていても、悪かったところだけ数えちゃうんですよ。
ここ間違えた、あそこもダメだったって減点していって、
残りの点数を見てすごい落ち込んで…そんなネガティブな視点で毎日を繰り返していたら、
どんどん「失敗しないこと」がゴールになっていっちゃったんです。
お芝居も、全セリフを徹底的に暗記して、本番は1カ所も噛んだり間違えたり
しないことだけに全意識を集中させていたんですね。それで、自分なりに「100点だ!」って思えることが多くなっていったんですけど…
あるとき、気づいたんです。「あれ? 私が褒められてるの、自己採点が低かったときばっかじゃない?」って。
何度もそういう経験をするうちに、
「これは、私の設定してた“100点”を疑えってことなんじゃないか?」
と思うようになったんですよね。結局、「お前の考える“100点”なんて、たかが知れてんだぜ」
ってことに気づけるかどうかだと思うんですよ。
完璧主義って、いい部分もあると思うんです。
こだわりが強いとか、納得できるまで徹底的に頑張れるとか。でも、「“たかが自分”が設定した狭い世界のなかでわちゃわちゃしがち」っていう、
めちゃくちゃもったいない弱点も抱えてるんだなって気づいて。
それ以降は、本番に臨むときに必ず“余白”を作るようにしました。
ベースは押さえつつも、「自分の想定通りの本番」にならないようにしようと思ったんです。「これ以上考えても仕方ない」って言い聞かせて、
頭空っぽの状態でルーティーンを過ごして、
本番直前に無理やり「頑張らない時間」を作ったんです。そういうふうに決めちゃえば、諦めがつくじゃないですか。
(でも、ホントに大丈夫だっけ・・・って不安になりませんか?)
そこはもう逆に…「完璧主義者である自分」を信じましょ?
完璧主義の人間は、どうせちゃんとやるんですよ(笑)
当日考えられないなら、前日までにちゃんとやるのが私たちじゃないですか。
心配しなくても、どうせちゃんと頭に入ってるんです。
(広瀬アリス)