なぜテレビは狂ったように渋滞ニュースばかり放送するのか

ゴールデンウィーク中のテレビと言えば、渋滞情報ですね。
朝は渋滞情報で始まり、夜は渋滞情報で終わる。

テレビの渋滞情報は誰向けに、何のために放送してるのかというと
結局は渋滞と直接関わりのない、家でテレビ見てる視聴者向けに
放送してるっていうのが一番の目的なんです。

つまりはニュース性というよりはエンタメ的な要素が強いわけですね。

一言で言ってしまうと、テレビって「困ってる人」が大好物なんですね。

テレビって結局、全部ひっくるめて何を取り上げてるのかっていうと、
ざっくり言ってしまうと、困ってる人を取り上げてるんです。

地震、困ってるからです。
台風、困ってるからです。
戦争、困ってるからです。
コロナ、困ってるからです。
水原一平、困ってるからです。
スキャンダルの芸能人、困ってるからです。
不祥事を起こした企業の謝罪会見、困ってるからです。

テレビは、困ってる人とか、世の中の困りごとを取り上げる媒体なんです。
これはほぼすべてと言っても過言ではないぐらいかもしれません。

では、困ってない人を取り上げる場合はどうするかというと、困らせるわけです。
わざと答えにくい質問をして困らせたり。

ドッキリなんかもまさにそうですよね。
芸能人にドッキリを仕掛けて困らせてるわけです。

水曜日のダウンタウン」なんて、ほぼすべての企画が芸人を困らせる企画ですよね。
さぁ、どうやって芸人を困らせようか?っていう発想です。

クイズ番組も、クイズを出して困らせてるわけです。
食べ歩きロケすら、タレント自ら許可を取ってくださいと言って困らせるわけです。

テレビ業界では、人が困っている瞬間が一番価値があると思われてるふしがありまして、
なので、バラエティ番組は、どうやってタレントを困らせるか、
ニュースとかドキュメンタリーは、どんな困ってる人を取り上げるか。

海外から帰ってきた人を捕まえて
「円安で大変だったんじゃないですか~?」
とか聞いて、困ってる話を聞き出す。

ざっくり言ってしまえば、ほぼこの発想です。

そう考えたときに、ゴールデンウィークの渋滞っていうのは、
「困ってる人たちの集合体」なわけです。

1人だけでも困ってる人がいれば嬉しいけど、当然数が多ければ多いほど
テレビスタッフのテンションは上がります。

ただ数が多かったとしても、あっちにもいる、こっちにもいるっていう状況だと
撮影がしにくいんですね。
それよりも映像としては、1カットの中に困ってる人がなるべくたくさん収まって
くれてる方がありがたいんです。

そう考えたときに、ゴールデンウィークの渋滞って、困ってる人たちの集合体が
1カットにガッチリ収まってくれる大チャンスなわけです。

これ、意外とそんな大チャンスってそうそう無いんですね。
ゴールデンウィークの渋滞か、お盆の渋滞か、年末年始の渋滞ぐらい。

あるいはもう、コロナで急にトイレットペーパー不足で、薬局に大行列みたいな
そういうイレギュラーなときぐらいしかないんです。

確実にそうなることがわかってて、予定どおりに狙って、困ってる人たちの集合体が
撮影できるチャンスって、大型連休の高速道路ぐらいなんです。

まとめますと、ゴールデンウィークの渋滞っていうのは、
テレビ業界で最も価値が高いとされる「困ってる人たちの集合体」が
1カットの中に収まる数少ないタイミングを、狙って撮影できる大チャンスってことで
それをエンタメとして楽しんでるっていうことですね。

(元テレビDさっきー)