上司としてのホリエモンはどんな人物だったか

堀江さんが世の中的にどう思われているかは正直よくわからないんですけど
僕からすると「めちゃくちゃ勤勉な人」です。

メールの返事とか稟議とかめちゃくちゃ早いです。
そういうことに関しては、こっちから催促しないと、みたいなことは全然ないです。

逆に自分はパッパパッパと未消化の案件をこなしまくって、人にむしろ催促する。
あれはどうなってる?これはどうなってる?って。

基本的には自分はとにかくボールを持たずに、人にとにかくパスしまくって、
で、パスしたのをどうなってんの?どうなってんの?と。

パスが戻ってくると、またすぐ別の人間にパスしたりっていう形で、
とにかく処理が早いし勤勉な人なんですよね。

言い方を変えると、人にも厳しいけど、ある意味自分にも厳しい人なんだろうなと。
僕もいろんな上司に仕えたんですけども、あんなに判断が早くて溜めない人は
なかなかいないなというぐらい、早かったです。

堀江さんというと、お金儲け大好きみたいなイメージがあると思うんですよ。
確かにお金儲けめちゃくちゃ上手だし、お金大好きな面もあると思うんですけど、
ただ、いわゆる拝金主義者、銭ゲバではないと思うんですよ。

というのは、実際間近で見ていて、もっと本当にお金だけを最優先するんだったら
いくらでも別の立ち回り方があると思うのに、損しかないことをたまに言っちゃうみたいな。

ハッキリ言って、金儲けって考えたときに1円の得もなくて、むしろデメリットしかない
みたいなことなんだけれども、とにかく正直な人だと思います。

ある意味、スポーツのスコアみたいにお金儲けを楽しんでいるような人だなと思っていて、
お金なんて所詮手段でしょうって、すごく突き放してるところもある。

お金はもちろん大好きですよ、大好きだけど、スコアとして大好きなんです。
資本主義のスコアとして、平等なスコアとして。

だから、ズルしてまでみたいな感じは、少なくとも堀江さんの主観的な認識としてはないし、
僕が間近で見ていて、それは本当にそうだなと思いました。

なので、本当に良くも悪くも正直すぎて、ちょっと部下が迷惑するみたいなことかなと思います。

裏表がなく、厳しいし、タフだけれども、すごく仕事しやすい上司でした。
もちろんめちゃくちゃクソミソに言われることもあったけれども、それも上司としてよくて
別に無礼だったり怒鳴ったりするわけでもないし、そういう意味では非常にフェアだし、
裏表なくて、正直すぎるぐらい正直な人かな、みたいな風には思います。

だから、勤勉な人、正直な人。
あとは、とにかく最短距離で物事をやりたがる人。

とあるパートナー会社が鎌倉にあったんですよ。
あるLivedoorのサービスの一部門はそこの運営になったんですよ。

そこに対して開発のサービス改善の要望を出すじゃないですか?
ところがなかなかやってくれないということを報告している部下に対して

「あいつらさぁ、鎌倉にいるんだろ?
 鎌倉と六本木では時間の流れ方が違うんだよ!」

「お前の仕事は、いかに鎌倉の連中に六本木タイムで仕事をさせるかなんだよ!
 鎌倉で流れてる1分と、六本木で流れてる1分は価値が違うんだ!」

みたいなことを力説してて、すげぇよなぁ、確かにと。

鎌倉の1分も六本木の1分も、1分は1分でしょと思うかもしれないけど、
確かに六本木ヒルズの家賃と鎌倉のオフィスの家賃は違うから、
いわゆるスローライフ、今風に言うとワーケーションみたいな感じで
チンタラやってんのに合わせてたら損するんだ、と言ってて、
あぁ良いこと、面白いこと言ってんなぁと。

資本主義はタイムイズマネーなので、
「時間の流れ方をどう見るか」みたいな意味では本当に名言だったと思います。

田端信太郎