これすごい重要なんですけど、「自分で自分のことを繊細と言える奴なんて繊細じゃない」という声がすごい怖いです(笑)
これね、割とあるあるなんです。
その声が怖くて、自分で自分のことを繊細っていうのがためらわれる。
結果、自分だけの問題としてそれを抱えていくって人が多くいることを知ってほしいですね。
僕がテレビとかで「気にしすぎ」みたいなことを言い始めたのはそういう理由があって。
みんなが自分で処理してるから、せめてこう「こんなことが気になるんです」で笑ってもらう方がええなと思って。
自分でも何でこんなことが気になんねやろって思って、笑えることは多々あるんで。「付き合ってない彼女と付き合えたとして、別れる時のこと考えて付き合うの止めよかな」って思いますけどね。
無茶苦茶でしょ(笑)
で、自分で繊細を名乗る奴は、どこまでも繊細でなければならないっていう、それもやめてほしいんですよね。
テキトーなとこもあるし、繊細なとこもあるし、気になった瞬間にすごい気になるっていう。
ただ僕、そういう繊細さんみたいなのを割と面白くも捉えていきたいっていうか。
たとえば太宰治の小説読んでて僕が笑えるポイントって、「めちゃくちゃ気にしてるなこの人」っていうのが笑えて、
そこが僕にとっては共感するポイントやったりして。
だから必ずしもそういう、いろんなことを気にしすぎて生きづらいというよりは、そうなっちゃうときもあれば、面白いときもあるんで。
人のそういう話聞くの好きですし。
(又吉直樹)