俺の頭の中にある

ちょっとここで始めて言いますよ。
これ(一矢NOW)の一回目が学校から始まるんですよ。
あの頃、2色カラーってあったじゃないですか?赤と茶色で描く。

あれの学校は、三浦建太郎(代表作:ベルセルク)が描いたの。
1ページ目にバーンと載ってるんですけど、あれが三浦建太郎

今はもう三浦くんはいなくなっちゃったけど、僕が19で彼が18で、
連載が始まるときに19歳で、19歳じゃスタッフ雇えないじゃないですか。

(じゃあ友達として?)

いや、友達じゃないです。
誰か僕よか若いやついませんか?って。
「そんなのいないよ」って言われて、僕も若い方だったんで。

そしたら、一人いるって言われて。すんごい上手い奴が。
日大芸術学部だ・・・と思って、じゃあ芸大の人だから上手いのかなと思って、
来たら、慣れてないんですよ、ペンに。

「こうやって描くんだよ~」みたいな感じで、教えちゃったりして。
あの三浦建太郎に(笑)

で、教えたら飲み込みが早くて。
「ちょっと上手すぎるね、君・・・」って(笑)

学校の帰りに寄ってくれたんで、スケッチブック持ってるわけですよ。
「それ・・・見せてくれないかな~?」って言ったら「見ていただけますか?」って。

バッと開いたら、ガッツ(ベルセルクの主人公)ですよ。

(もういたんですか?)

そうなのよ。
で、次は妖精(パック)が描いてあって、次のページには悪い呪いのやつ、付くじゃないですか?

(あ、贄の烙印)

それがでっかく描いてあるわけですよ。

はい?って思って(笑)
ちょっと待って・・・これ、君が描いたの?
さっきは下手くそなのばっか描いてたよね?って。

そしたら
これ、俺の頭の中にあるんですけど、今の俺じゃ描けないです
え、いつ描くの?って聞いたら
力をつけてから
って。

ちょっと、今日はもうやめようって。
ちょっとお話を聞かせてくださいって言って、いろいろお話を聞いて、
素晴らしい人がいるな・・・って。

自分が一番若いつもりだったんだけど、だめだこれ・・・って。
年下の人が来てくれたんだけど、(レベルが)上だったっていう。

森川ジョージ

 

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