ドラクエで考える「仕事の行き着く先」

石丸伸二:

仕事の達成感とか喜びという意味では、銀行に入って最初めっちゃ低くて上がってったのは、
僕の中ではゲームのRPGの感じです。

ドラクエ、レベルを上げる。
で、魔法覚えて、ギラ、ベギラマベギラゴンまで行った、あの快感が仕事の中であったのかな。

でもそれは絶対に経験値を稼がないと、でゴールド貯めて、強い武器防具揃えないと
そこまではたどり着けなかったっていうのが、子供の時から変わらない自分の存在意義というか
生き方な気はします。

高橋弘樹:

確かに、仕事の楽しさってゲーム的に捉える人もいるじゃないですか。
あれってでも、行き着く先はどこなんですかね?

もしゲーム的に仕事を捉えるとすると、どこに行き着くんだろう?

石丸:

ドラクエ3で言うと、バラモス倒して、裏面行ってゾーマ倒したら終わりなんですよね。

高橋:

で、大人になるとそこにちょっと虚しさを感じて、
ちょっとゲームから離れる人もいるじゃないですか。

でも実社会でそれをやるとなると、ゴールは何なんですか?

石丸:

僕の中では、ラスボスが見えてるんだけど辿り着かない。
倒しても倒しても次が出てくるっていうのが人生というゲームなのかなと。
ロールプレイング、自分のロールっていうのはそういうものかなと思って。

なので、終わりがないから飽きずにやれるっていう。

高橋:

となるとちょっと質問の角度変えますけど、ラスボスが見えないのに
なぜ冒険の書開いて旅してるんでしたっけ?それは。

石丸:

それは、僕はもうレベルを上げ続けられるからですね。
どんどん強い魔法を覚えちゃうっていう。

高橋:

ああうん、それでも、東出さん的に言うとドーパミン中毒かもしれないです。

石丸:

ま、そうかもしれないですね、はい。

東出昌大

それがいい悪いの話でももちろんないです。

石丸:

でも、ラスボスは出てこないっていうか、決まっていないんですけど、
自分の中でエンディングはもうできてるんですよ。

自分が願う、あの最後ゾーマ倒して、アレフガルドに平和が訪れたみたいなところは
もう自分の中にイメージがあるんで、それに向かってるっていう感覚はずっとありますね。

高橋:

アリアハンじゃなかったでしたっけ?

石丸:

一番最初はね、でも裏面がアルフガルド。

高橋:

さすがやっぱゲーマーですね。
その、何なんですか?その最後のエンディング。

石丸:

ま、ちょっとまだ言ってないんですけど、
あ、でもリハックの収録で、西田さんとの対談でカメラ回ってなかったかもしれないですけど
ちょっと話した・・・

高橋:

今ちょっとこっそり教えてもらっていいですか?

石丸:

まあまあまあまあ、そのうち追々。
あの、そんなに引っ張るほど大きな話じゃないですけど、
自分が最終的に何をしたいかというか、どうなりたいかっていうのは一応ある。

高橋:

全クリの姿?

石丸:

ま、自分なりの全クリですね。

高橋:

え、何それ、そんなこと言われたら知りたくなるって(笑)

 

高橋:

東出さんの人生キャリアに全クリって概念あるんですか?

東出:

ないっす。

高橋:

全クリない?

東出:

ない。
うん、僕ずっとルイーダの酒場で酒盛りしてる(笑)
なかなか魔王を倒しに行かない。

石丸:

いつまで経っても行かない。
王様キレる、「早く行け」と。

東出:

最近、養老 (孟司) さんの本の中で、
まぁ他の本を引き合いに出すのもあれなんですけれども、
自分の言葉じゃないんですけれども、会社の上司、部長クラスの人に
「机の上に岩を置いときなさい」って言ったらしいんです。

で、部下が来ると。
で、「これ何ですか」って。
「いや、岩だよ、石だよ」って。大きめの。
「え、なんで置いてるんですか?」「意味はない」って。

でも、意味はないけど、意味不明なものを置いといて、
みんな「なんで置いてんだろう?」って考える。

この意味がないことを考えてる時間が僕好きなんです。

だからその、スキルアップ、新しい防具、ゴールドを手に入れてどんどんっていうことは多分効率だし、
この効率よりも僕、ルイーダの酒場でなんか「あの子の衣装いやらしいな」みたいな(笑)
「占い師ってすげえな」みたいな、そういうことをグダグダググダグダ喋ってる、
意味のないことをしていたいんです、僕は、多分ね。うん、タチがが悪い(笑)

高橋:

真逆だから面白いな。

石丸:

今ね、奇しくもルイーダの酒場に言及してくださったじゃないですか。
まさにあれなんですよ。

ドラクエって、3は主人公がアリアハンの王様から倒してこいって言われて、バラモス出てくるじゃないですか。

でもあの時にね、村の入り口で「ここは何とかだよ」っていう村人もいれば、
ルイーダもいて、王宮を守ってる兵士もいて。

で、なんならバラモスの部下、もうあれ完全な組織ですよ。トップダウンの。
中ボスもいて、でね一番末端にスライムがいるっていう。

相手がそれぞれいるじゃないですか、登場人物。
主人公だけじゃないロールが色々あるんですよね。

スライムの視点で描けば多分「スライム人生」みたいなものがあるんですよ。
なので、どの楽しみ方でもアリじゃないかな。

高橋:

せっかくドラクエの話だから盛り上がっちゃうか。

俺も乗るとさ、ドラクエのエンディングで比較的石丸さんとか俺がやったとこで
クリア後がちゃんと描かれてるのドラクエ4だと思うんですけど。

やっぱ勇者って不幸じゃないですか?
なんかドラクエ4仲間で一生懸命デスピサロだっけ?倒して。
世界を救うため倒したんだけど、俺ドラクエ4のエンディングすげえ好きなんですけど最後1人で孤独になるんですよね。

なんか村で死んじゃった大切な人を思い出して、仲間はみんな家庭持ってんのに。
やっぱその勇者の生き方は不幸かもしれないですね。

「ここはアリアハンの町です」って言ってる方が幸せかもしれない(笑)
いや本当にそうじゃない?だって。

石丸:

いや、そう。
それこそまぁどのドラクエシリーズもですけど、勇者がバラモスとかラスボス倒した後、
結構ロスに陥ると思いますよ、目的なくなっちゃって。

チヤホヤはされるけど、でもそれでもう残りの人生過ごすとしたら、めちゃくちゃ退屈ですよね。

高橋:

刺激中毒になっちゃってますね。

石丸:

僕だったら次、自分が魔王の方になりますけどね。

高橋:

倒される側に?

石丸:

そうそうそう。

高橋:

あ、だから政治家もみんなそうやって、なんか老害になっていくんじゃないですか(笑)

石丸:

うん、ねぇ?

だって勇者やり切った後、セカンドキャリア考えにくいじゃないですか。