率直に、本人を前にして言っては申し訳ないんですけど、政策の人としてはまだ評価してません。
若いから当然です。さぁ一方、政治の人としては私は評価してまして、大事なポイントは2つあるんですね。
1つは、マスメディアが取り扱わない中でネット、SNSをフルに正しく活用して
結果として165万票を取ったと。
要は、ネット、SNSっていうのは選挙のインフラとしてこれだけ機能するんだっていうのを
自ら証明してくれた。表現を変えると、インフルエンサーの成功モデルっていうのは、まさに政治活動でも
使えるんだっていうのを証明した。
これがすごいですね。
で、2つ目が、こっちのほうが大事なんですけども、まさに政治のエンタメ化っていうのが
関係するんですけども、どうしても昔から政治をやっている人は、石丸さんの演説を聞くと、
「政策を詳しく語らない」とかいろいろ批判するじゃないですか?
これ、ある意味で時代遅れの批判なんですよ。つまり、今の若い人はネット上でいろんな短い動画を見るのに慣れちゃってますから、
そういう小難しい長い話ってみんな受け付けないんですね。
むしろ短い、わかりやすい、インパクトのあるものを受け付ける。世の中そういう風に変わっちゃってますから、それを批判してもしょうがないわけで、
逆にそれを理解しているからこそ、「政治を変える」っていうわかりやすい言葉をしっかり言って、
難しいことは長く語らないっていうのをやりまして、ある意味で政治と有権者のコミュニケーションで、
今の時代はこういうのが必要なんだっていうのを示してくれた。
だから政治のエンタメ化っていうのは悪い意味じゃなくて、そうしないと若い人も含め
みんなちゃんと乗ってこないという現実を踏まえてますので、そこは政治の人としては素晴らしい。小泉純一郎さんが総裁になった時に、結局郵政民営化なんて誰もわかんないんですよ。
でも、「自民党をぶっ壊す」っていう言葉にみんな興奮してああいうブームができた。あの頃、スマホなかったんです。動画なかったんです。
今はよりいっそう多くの人が、そういうわかりやすいインパクトあるものを求めています。
だから、政治のエンタメ化っていうのはすごく大事。
ですけど、「石丸構文」とかを見ますとですね、ちょっと行き過ぎてる部分もあるな、
っていう風には思いますね。個人的に見ててすごく思うのは、石丸さんはすごくロジカルなんですよ。
ロジカルなんだけども、それを出しすぎると、残念ながら政治のエンタメ化という観点からも
伝わらない部分が出ちゃうし、マスメディアがどういうものかわかってるじゃないですか?それを、あえて喧嘩を売るっていうスタイルもわかるんだけども、結論として
それをやりすぎるのも、ロジカルを通しすぎるのも、もったいないよなという気はするんです。
(岸博幸)